空振り三振悪党業《二振目》3 ページ41
さすがにこの真っ赤な服はまずいと思って、瞬間的にステルスをする。そのまま伝ってきた屋根に登り直してエリーさんと合流した。
「ふぅ、ギリギリセーフね」
「にゃあん(余裕でアウトよご主人)」
「結局耐久実験はできたからセーフだと思うのだけれど」
「んにゃう、にゃあん(ご主人のセーフかアウトかの基準は独特ね)」
「むぅ、そんな呆れたような顔で見なくたっていいじゃない」
「なぁ〜んにゃあん(で、その血どうしたの？)」
「あー……、実はね？――――」
実は、組織に出入りするようになった頃あたりから、わたしの血が入った輸血袋を最低一つは持ち歩くようにしている。
というのも万が一重傷を負ったとしても、病院には行けないだろうから自分で輸血しようと思ったからだ。
その後に、わたしが狙われてると分かってカノーチェの時だけじゃなくAの時にも持ち歩くようにした。
…………このことを話したらエリーさんは残念なものを見る目を向けてきた。解せぬ。
まぁ、こんな経緯があって輸血袋を懐に忍ばせてたんだけれどそれが裏目に出過ぎた。
ちなみに今日の服は、
つまり今は見違えるほど真っ赤なブラウスになってしまっている。こんな格好で道歩けないよね……あー、服買いに行くか……。
ため息を我慢しつつ最大限にステルスをかけて、わたしとエリーさんは服屋に向かった。こんな状況で好きなファッションブランドとか言ってらんないよね……はぁ。
__________色黒少年side
「なんやねんなんやねんなんやねん！！」
あかん、さっき助けてくれたあの女の子の笑顔が頭から離れへん。
あの女の子は俺を押し除けた後、不注意な俺を責めるでもなくただただ俺に微笑んでくれた。まるで『無事で良かった』とでも言うように。
「あー……あかんわ」
思い出したら顔が熱なってきた。それを誤魔化したくて顔を扇ぐ。
どんだけ他のことを考えようとしても、その一瞬後にはもうあの女の子のことを考えてしもてる。そんくらいあの子は鮮烈やった。
額に滲んだ汗、風に揺れる髪、優しげな笑顔、眼差し。
汗が滲んでたんは、もしかして見ず知らずの俺のために必死こいて走って来てくれたからか。そう思うとどうしても胸が熱くなる。
あの子はいつの間にか消えてしもたから名前すら聞けへんかった。いつかまた会えたらええな。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
