新星ツートップ2 ページ29
「おい煌月、これお前の仕事じゃねェな」
もはや疑問文ですらない、確信を持ったような態度に思わず言葉が詰まる。事実なだけに言い逃れができない。そもそも倉敷さん相手に言い逃れできるとも思えない。
「…………そすね」
小声で呟いただけのその言葉は、この氷河期到来中の部屋にはよく響いた。余計に部屋が凍る。南極大陸へようこそ。ペンギンはどこだろう。
なんで俺が人よりも多く書類があるのか。
それは、とある先輩に仕事を押し付けられているからだ。
俺の派手な赤髪は目立つから、秘匿性の高いゼロの捜査にも参加させてもらえない。
それが悔しくて悔しくて、役に立てることを証明したくて、ひたすら頑張った。書類仕事だって率先してやったし、みんなが嫌がるような地味な仕事とか、現場検証の仕事だってやった。
でもおかしいな。頑張れば頑張るほど、結果を出せば出すほど、『無意味なのにな』って顔で俺を見た。
ある時、その先輩が言った。
『所詮、お前には書類仕事がお似合いだな』
言い返す言葉が見当たらなかった。悔しかった。でも、黙って引き受けた。もう、全部どうでもよくなってしまってた。
その結果がこれ。
氷河期呼んじまったよ過去の俺。
溢れそうなほど重いため息を我慢して、さっきから『事情を説明しろ』と言わんばかりの倉敷さんの方に体ごと向く。
幸か不幸か、俺のデスクの右隣なんだよな。倉敷さん。
すると倉敷さんも体ごと俺の方に向いてくれた。
礼儀は良いよな、倉敷さんって。とりあえず、事情を説明する。
「──────って事です。ちなみにそのとある先輩ってのは倉敷さんの前のデスクでへたり込んでるあの人。」
例のへたれ野郎を指差して言うと、倉敷さんは目だけを動かしてそいつを見た。
そういえば、倉敷さんは俺の髪のことどう思ってるのだろうか。もしかしたら俺の容姿は認めてもらえないかもしれない。
そんな考えが頭をよぎったが、好奇心に勝てるはずもなく。
「倉敷さんはどう思ってるんすか？ 俺の髪色のこと。」
もう空気が凍りすぎて遂に絶対零度を迎えたが後悔はない。ないったらないって。
…………やっぱりこんな質問すべきじゃなかったな。今からでも取り下げようか。
「……すんません、何でもな「くだらねェ」……えっ？」
俺の言葉を遮るように放たれたその言葉に、衝撃が音となってこぼれた。
そして、場の空気はますます凍った。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
