組織絶許になる瞬間2 ページ27
空気が痛い。
今を表すとすればその一言に尽きる。
あるものの殺気のせいだ。
みじろぎ一つすることができない程極限に高まった、警備課に与えられたこの広い空間全体を支配する緊張感。額に冷や汗が滲むのがはっきりと分かる。
この空間全体を殺伐としたものにしている
パソコンから目を離さずただただ淡々と彼に与えられた仕事を片付けていっている。ただそれだけ。
彼の殺気は鋭い刃物とか弾丸と同じだ。彼の殺気に触れるだけで命の危機を覚える。唯一違うのは目に見えるかどうか、それくらいなのではないだろうか。
彼の殺気が充満したこの部屋ではなおさら命の危機を感じる。体に空気が重くのしかかり息さえ上手くできずに体が震える。
特定の誰かに向けたわけではない殺気でこれだ。本当にこの人は底が知れない。
そもそもだ。そもそも倉敷さんは重度のお人好しなのだ。
俺の変わった名前と髪の毛のせいで、ちっさい頃から人に悪意を向けられてきた。海外へ行って環境を変えても、変わらず。
その経験から、いつしか俺は、パッと見ただけでもその人がどんな人なのかは分かるようになった。
だからこそ言える。倉敷さんはとんでもねぇお人好しだと。
確かに目つきは鋭いし、常に顔はおっかないし、口調も態度も悪いし…………あれ………？
と、とにかくお人好しはお人好しだ。なんなら善人と言っても過言じゃない。今まで見誤ったことのない俺の目がそう言っている。
事実、初対面にも近い彼に
それに、彼は立場がかなり高いにも関わらず、まるでそんなことどうでもいいとでも言うかのような態度なのだ。
立場が高い奴ほど偉ぶってると思ってた俺は正直驚いたけど、それと同時に俺の目に狂いはなかったと少し確信できた。
――そんな彼がブチギレてる。
もうこれは一種の異常事態だ誰が何をどうすればそんなことが起こるのか。
――ガタッ
デスクが倉敷さんの前だった先輩(と呼びたくないほど嫌いな奴) が椅子から滑り落ちてへたり込んだところで。
「倉敷さん、何があったんすか？」
恐らくこの場にいる全員が思っているであろう疑問を、何でもないような顔で口に出してみた。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
