血統書付きの一匹狼4 ページ24
諍いの絶えないこの組織では、普通のグラスを使おうものなら2週間も保たない。
だからこの組織では薄い防弾ガラスをグラスに用いている。つまりこのグラスは防弾ガラス製。
普通のグラスならまだしも、このグラスは握り潰せないはずなのだ。
どんなトリックがあるのか聞き出そうとしたその時。
確かに白い毛が見えた。何かを大事そうに抱えるその腕から白い毛が見えた。次に目。青と金という特徴的な目が見えた。この目は猫の目……？……、！
(この猫って……！！)
そこにいたのは、かつて命を救ってくれた
その考えが声に漏れてしまっていたのか。
彼はぴくりとわずかに肩を震わせ、キョトンと首を傾げて目を丸くさせ、「誰だい？それは」とその人物のことを聞いてきた。
私は質問されていることなんてお構いなしに、あの日と変わらない、優しげな光を湛えたその瞳に呑まれた。絶対に彼女だ。直感が言っている。
(ダメ、ここに彼女がいるとバレてはどうなるか分かったものじゃないわ。)
だって彼女は……彼女は、この組織に狙われているのだから。理由は分からないけど想像はつく。恐らく組織に痛手を負わせたあの2人の子供だからだ。
なら彼女は危険を冒してまで2人の敵討ちに来たのかしら？それでもいいわ、彼女の言う通りまた会えたのだから。
「あなた、狙われてるのよ？」
「……狙われてる？」
「直に分かるわ。気をつけなさいね。」
「話が見えないね。でもまぁ、ご忠告どうも。」
彼女は目を少しだけ細めて、話は終わりだと言わんばかりにまた折り曲げた身体に頭を隠した。たちまち寝息のような音が聞こえてくる。
目を奪われていた私は、この子の子供っぽい仕草に何となく笑みが零れる。私の目の前で眠るなんて、無防備だこと。でもそれが先程のギャップもあって逆に可愛らしい。
ジンはこの子のことを『血統書付きの一匹狼』だと言っていた。それも『悪魔の血統書付きだ』と。見当違いも甚だしいわね、この子は私のエンジェルなのだから。
眠りこける彼女の頭にゆっくりと手を伸ばし、起こさないようにソッと撫でた。
「
今度は私があなたを守るわね。例えあなたに裏切られる結末が待っていたとしても。
まずはジンからかっさらってやるわ。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
