大悪党と駆け引きを【名探偵コナン】【救済】

赤井秀一の探し人4 ページ9

「………そうか」




彼は仲間意識がかなり高いようだ。噂によると彼はよく一人で任務にあたるらしいが、それは仲間が傷つかないようにするためではないだろうか。


今の急に始まった訓練も恐らくは集団で任務にあたるときの個人の行動の責任の重さを身をもって教えるためのものではないだろうか。




『自分の行動一つで大事な仲間の命を危険に晒すこともある。ここにいる時は常に気を引き締めろ。次はねぇぞ。』




先程とは打って変わって寝ていた生徒の頭に手を乗せ荒い言葉遣いで、しかしどこか優しい声でそう言った倉敷教官を見て自分の考えは正しいものだと確信した。



そう確信したときには彼の殺気による恐怖から来る震えはもう既に止まっていた。



その優しさはよく知っているものに非常に似ている。しかし根拠は全く無いし他人の空似の可能性の方が高い。しかし、よく似ている。そう思うと彼から目を離せなかった。



それから授業が終わり、倉敷教官が一人で廊下を歩いていた。これはチャンスかもしれない。動揺を見逃さないように彼の目をじっと見つめる。




「………A」




そう言うと彼は困惑したような雰囲気を醸し出す(表情は動いていない)。


誤魔化しながら探ったが、結局なんの根拠も得られなかった。


そう思うと悔しくて、ますます困惑した雰囲気(無表情)の彼の前だったが、思わず俯いた視界の端で、見間違いかと思うほどわずかな時間、彼は少し顔を歪めた。………その表情は罪悪感か？なぜ？




「A Aはアメリカにいる。…………今はいねぇかもしんねぇが。」




そう小さく響いた声は確かに聞こえた。それだけしか教えてはもらえなかったが、倉敷教官とAはなんらかの繋がりがある。それがハッキリと分かった今、どうにか暴こうと思考を凝らす。



あの眼帯の下には青い目があるのではないか



ふとそう思った俺がHogan’s Alleyでの実習で、研修生たちを丸め込み俺対教官のタイマンに持ち込み、眼帯を外そうと企んだのは想像に難くないだろう。



もう一度あの笑顔を見れるなら、優しい声を聞けるのならなんだってやってやろうと思う。









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A「ああぁぁああ絶対やらかしたつかこっち来んな怖い！何か本能的に怖い！


腹黒いこと考えちゃってますオーラ隠すつもりも無いでしょ！？てか顔に出てるよ！？


あとどさくさに紛れて眼帯取ろうとすんな！！」



『にゃあん(自業自得ね)』

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