悲しみよ、ありがとう3 ページ45
今出て行った少女のことに思考を凝らす。
私が管理官としてここに来た頃、私は彼女の両親について調べていた。というのも今まで彼女の情報は隠されたように見つからなかったからだ。
彼女がイギリスの家に来た時、メアリーと何度かそれとなく彼女の両親のことを聞いたのだ。しかしどう聞いても話を濁す彼女に不審に思ったのが始まりだったか。
思えばその頃から彼女は、年齢に不釣り合いなほど人をよく見ていた。
そして、秀吉が危なかったあの時。
あの時から既に彼女の動体視力、怪力には目を見張るものがあった。
あれはいつも通り秀一が彼女を(無理やり)家に連れてきた時だった。
毎度のことながら諦観の笑みを浮かべて挨拶をする彼女とたわいない会話をしていたのは今となってはもう懐かしい。
その時も他の会話に混ぜて彼女の両親のことを聞いたが、うまく躱されたのだ。
そういえば彼女はその頃から秘密を隠すのが上手かったな……
「はぁ……。」
思わずため息を吐いてしまったが仕方ないだろう。だがだからこそ私を黒田兵衛に変装させよう、なんて妙案が思いつくのだろうな。
………少し思考がずれた。あの日々を思い出すのはやはり心地いいのだ。
その日、彼女は買い物を頼まれていたのに秀一が連れて来たらしかったため、真澄をメアリーに任せ、私と秀一と秀吉とでAの買い物に付き添った。
買いものを全て買い終えたその帰り道。秀一と秀吉とAが3人で並んで歩き、私がその後ろをついて行っていた時だった。
作業員の不注意か、はたまた不幸な事故か。
Aが秀一をできるだけ遠ざけようとし、秀一がAの隣に来ようと攻防を繰り広げた結果、3人の真ん中を歩くハメになった秀吉の上に鉄パイプが落ちてきたのだ。
落ちてきたのは一本だけだがあの速さ、あの重さでは確実に秀吉は――！！
「危ない――！！」
「――そいやっ！！」
いつのまにか2人より少し後ろに下がっていたAが秀吉の頭上まで跳び上がり、降ってきた鉄パイプを蹴飛ばした。
正直自分の目を疑った。
秀吉の頭上まで跳んだこと、鉄パイプを蹴飛ばしたことはもちろん、あの速さの鉄パイプを蹴ろうものなら足が折れてもおかしくないのに全くの無傷だということ。
しかも秀吉と秀一が見ていなかったのを良いことに「危なかったね〜！」なんて言ってのけたのだ。
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おもち(プロフ) - ありがとうございます！ (2020年7月19日 6時) (
レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - おもちさん» こんにちは！！夢主ちゃんは「lococo」さんで作成しました！ (2020年7月19日 5時) (レス) id: d45b537d58 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - こんにちは作者様！いつも読ませていただいております！そしてとってもどうでもいいのですが、夢主ちゃんのイメ画って誰が描いた、もしくはどこでつくったんですか？できれば教えてもらえると嬉しいです！これからも応援してます！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - れいすみすさん» ハクさんはこれからとんでもなく口と形相が悪くなっていく予定なんです……よければまた呼んでくださいね！ (2020年7月2日 21時) (レス) id: d45b537d58 (このIDを非表示/違反報告)
れいすみす(プロフ) - やはり面白いですね…個人的にハクのキャラも好きです。今後の展開がとても気になります！楽しみにしています。更新を心待ちにしております！お身体ご自愛くださいませ。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 993cffbbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年6月1日 5時
