大悪党と駆け引きを【名探偵コナン】【救済】

ただいまジャパン！2 ページ34

ひらり、はらり、桜が風に乗せられ、波間に揺蕩うように散って行く。




わたしは肩にエリーさんを乗せてキャリーバッグを引き、公園など至る所にある桜を横目に先を急ぐ。




いやぁ日本はもう春だったね！！




そっか4月は春だったなぁ……なんて思いながら立華の示してくれる道順通りに不動産屋さんへの道を行く。良い物件あると良いんだけどね！


FBIの長官さんには一応今までお世話になりました、と伝えて業務の引き継ぎを押し付け……げふんげふん、引き継ぎをお願いした。


いやぁやっとあの銀の弾丸の片割れから逃れられたね！わたしがどこに行くかは機密事項だし漏れる心配もなぁーっし！悪党業に勤しむぞ！！


なんて気合いを入れていると立華ちゃんおすすめの不動産屋さんに着いた。堂々と実績No. 1と書かれてる。………ここまで主張激しいとちょっと不安になる。




「マンションを借りたいので紹介してください！」




扉をバーンと効果音が付きそうな勢いで開けた。


なんだか魔王に立ち向かう勇者の気分が分かった気がする……とか思いながら見渡すと、従業員さんは驚いて固まっていた。まぁわたしまだ14歳だもんね！子供にしか見えないよね！




「こ、こちらへどうぞ」



「はーい！」




完全に引率の先生と生徒にしか見えないんだろうなぁ……と考えながら人の良さそうなおじさんについていく。




「……お嬢ちゃん、親御さんは後から来るのかい？」



「いえ、1人です！あ、心配しなくてもお金はちゃんと持ってますよ！」



「そ、そうかい……どんな物件が良いとか決まってるかな？」



「自宅から近くて、ペットOKでできれば静かなところに住みたいです。」




着いた先はテーブルを挟んで椅子が向かい合わせになっていて、一塊ずつパーテーションで仕切られているよくある場所。




「地図で自宅の位置を教えてくれるかな？」



「もちろんです！………あ！ありました、ここです。

ここから半径5km以内のマンションでペットOKで静かなところあります？」



「ペットOKとなると……そうだな、ここなんてどうかな？

駅から5分だよ」



「駅から5分！？」



「デパート、スーパー、遊園地、図書館もあるし東都タワーも近いよ」



「そんなところが！？」



「3LDKでこの値段なんだよ」



「事故物件ですか」



「事故物件ではないよ」



「ここ見に行きます！」




なんで正規の金額の8分の1くらいの安なの………なんか嫌な予感……

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