大悪党と駆け引きを【名探偵コナン】【救済】

アメリカからの脱出 ページ30

立華ちゃんが明らかにアグレッシブになってることに頭を抱えつつエリーさんを追って壁を登り屋根をかけてフェンスを乗り越えて、とひたすら逃げる。


身バレ、ダメ！絶対！ってね！！


なんて思いつつ立華ちゃんに、取材陣は今どのあたりにいるかを聞こうとした。その時――




『Aさん！日本警察から連絡です！』



『………、はぁっ！？わたしなんか悪いこと……悪いことしかしてなかった！！』



『電話にお出になられますか？』



『うん。逆探知に注意してね……ったく、悪党が警察からの電話に出るってなんなのよぉ……』



『了解しました！ご武運を！』



『ありがとう！』



『なうん(後でご褒美ちょうだいね！)』



『もちろんよ！楽しみにしててね！』




わたしもしかして悪党としての資質ゼロ？なんて思いながら電話が繋がるのを待つ。もちろんエリーさんと逃げながら。




『倉敷 ハクの電話で間違いないか？』



「………あァ、そォだが」




あっっっぶね！！Aで出る気満々だったわ！！すぐに声作れてよかった……！！というかこの声はもしかして……！？




『そうか。……俺が誰だか分かるな？』



「あァ。黒田管理官、だろ？」

(訳: 理事長(本物)じゃなくて管理官(務武さん)でしょう？)



『その通りだ。実はお前に頼があってな』

(訳:Aじゃなくて倉敷 ハクに頼み事があってな)



「………へェ。それはどンな？」

(訳:厄介ごとは辞めてくださいよマジで)



『日本警察からの頼みだ。』

(訳:残念ながら厄介ごとだ)



「頼み事とは名ばかりだな」

(訳:それもはや命令じゃないですか！聞くしかないじゃないですか！いいですよ聞きますよ……)



『そう言うな。……お前に警察庁警備局警備企画課へ転属命令が下った。』

(訳:そう言われても上の決定だ。悪いな。)



「………無茶言うな。それに俺の国籍はアメリカだぞ？」

(訳:日本警察に入るには日本国籍が必要でしたよね？あとわたしFBIに所属しているんですが)



『その点は抜かりない。それとFBIにも籍は置きっぱなしにしてある。』

(訳: 昨日からお前は日本国籍だ。 FBIにも話は通したがかなり渋ってな。

いつでもFBIとして働ける上に表向きは各機関への派遣員として昇進したことになってる。)




つまり出張型の社畜に進化したってことですね！？ちくしょう！！

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