大悪党と駆け引きを【名探偵コナン】【救済】

カノーチェの白星 ページ19

黒服さんをベッドに寝かせて仮死状態を解く薬を投与する。あとは目覚めるのを待つだけ。

朝、昨夜の家が燃えてるっていうニュースを見て分かったんだけど、今回ダントツで最悪な回収の仕方をしたこの黒服さん、なんとFBIの先輩だったようです。


なんてこった！！どんな顔して会えばいいんだ！！




『んん……』




あ、起きそう？ていうか黒服さん隈すごいね。

ちなみにわたしはもうAに戻ってます。カノーチェのままでいて黙って殴られようかとも思ったけどそれよりも前に、たぶん何を話しても信用してもらえない。




『………』



『おはようございます、痛いところはありませんか？』



『………』



『………あの？』



『………天使？』



『違いますよ、わたしがさっきの赤目の男です。』




そう言った途端、こいつ何言ってやがんだみたいな目で見られる。

まあ全然見た目違うし信じにくいよね。よぅし変声術を見てもらおうか。

そう思い、まっすぐ目を見てカノーチェの声で話す。




『本当ですよ。さっきあなたを騙して撃ったものです』



『………天使がなんであの男の声真似を？』



『天使じゃないですし、あなたは生きてます！心臓に手を当ててみてください、ね？』



『あ、あぁ……。……！？本当に生きてる！！で、でも俺さっき撃たれて！！？』



『あれは人を一瞬で仮死状態にするための銃です。

本物とそっくりな銃弾なので射撃音も一緒なのであの2人にはあなたは完全にこの世から消えたように見えたでしょう。

実際、あなたの生存はあまり知られていません。』



『妻は！？娘はどうなるんだ！？』



『FBIに、あなたの潜入がバレて始末され、家族に被害が及ばないように、という名目でご家族を保護してもらいました。

なのであなたにはしばらくここで生活をしてもらうことになります』



『そ、そうか……』



『それから、FBIの中に裏切りものがいます。』



『はぁ！？』



『今から潰しに行きますけどね』



『お嬢ちゃんFBI関係者なのか！？』



『はい！最近入ったばかりですが……倉敷 ハクって分かります？』



『え、あ、ああ。あのジャパニーズニンジャか。それがどうかしたのか？』



『え！？そんな名前で呼ばれてるんですか！？………あれ、わたしです』



『マジかよ……お嬢ちゃん、何者なんだ？』



『A A、大悪党さ！！』




………一回言ってみたかっただけなの！！だからそんな痛い子を見る目は辞めて！？

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