32,お礼 ページ32
「……てか、いつもいつも送ってくれてますよね。ありがとうございます。」
「…ンだ気持ちわりィ。」
「失礼ですね。」
人がせっかくお礼を言っているというのに、この人は素直に喜べないのか。
「……言葉で礼されても俺は満足できねーな。」
「…ん?どういうことですか…、」
頭に疑問符を浮かべていると、気付けよ鈍感女、と罵られてしまう始末。
「言葉で礼されても」ソレが引っかかった。
……何か奢ってくれ、と言いたいのだろうか。
「何か…奢ればいいんですね。」
「………さっすがー。分かってんじゃんAちゃーん。」
「すごい棒読みなんですが……。」
気のせいだよー、とまた棒読みをする銀さん。
そろそろ殴りたくなる衝動を抑えながら、どんなモノを奢ったらいいのか、少し考えることにした。
…あれ、…銀さんって何が好きなんだろう。
ビール飲んでる銀さんしか知らないや。
「あの…銀さんの好きなモノって……、」「いちご牛乳、パフェ」
ざっくりしてるなぁ、と思い、一応頭の片隅に置いておく。
「――――……私も好きです。」
「は?」
「…?」
「……うわ、焦った…。いちご牛乳とパフェか……」
「なんで焦るんですか」
「――……ヘェ、いいモン見ちまった。」
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作者名:ひなどり。 | 作成日時:2024年4月5日 11時