幼馴染コンプレックス(BTS) (ページ18)

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ここからは過去回に移る時に、※をつけようと思います。分かりやすく区別するために。
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ジョングクとテヒョンは小学生の頃は勿論だが、中学生になるとその人気度はうなぎ登りした。

私以外にはとても優しく、嬉しいセリフをばさばさと言ってくれる女子の味方、キムテヒョンの人気は大気圏を超えるくらいで、

対したジョングクもまた、超人的な運動能力と、少し素っ気なく、時折見せる恥ずかしそうな素振りが女子のハートを射止め、テヒョンと肩を並べるくらいの人気を誇っていた。

私はと言うと、彼らのような甘いルックスとか、人を喜ばされる能力だとか、運動能力とかはなかったが、この頭脳のおかげで、少しは周りから人目置かれていた。

模試があれば必ず1ページ目の総合ランキングには私の名前が載ってるし、中学の時に返ってくる定期テストの順位では1桁以外取ったことがなかった。

特に数学は、一位を他の誰にも譲ったことがなかった。

そんな私を、彼らは、ジョングクはすごく誇らしく思ってくれた。

｢僕、模試の順位が張り出されてると、自分の名前よりも先に他学年のヌナの名前探してます｣

｢いやいや、ジョングクの名前が載るわけねえのになんで自分の探すんだよ｣

｢あ、そっか｣

照れ臭そうに笑うジョングクの首筋を汗が伝っていた。
よく見れば、白色のシャツも少し汚れている。

友達と業後にサッカーをした時のものだと、彼は言った。
お盛んなものだ。

｢もうすぐ夏ですねー｣

｢衣替えの季節だー｣

『という事は、念願のグクの半袖制服姿が見れるのか』

｢確かに！やー、期待してまっせイケメンくん｣

えいえい、とテヒョンがジョングクを肘で小突く。
ジョングクがなんですかそれ。とおかしそうに笑っている。
太陽みたいな笑顔。

そんな2人の間を、緑色の葉っぱが舞い落ちる。
鮮明な緑色が、私から見えるジョングクをぼかした。

おっと、と少し目をつむる。
再び目を開ければ、私の前を歩いている2人の姿が目の前の大きな夕焼けに呑み込まれていた。

帰り道の長い坂道。
私より少し背が低くなった彼らの頭上に落ちる夕日。
それは、私の目の前に広がる、住宅街にものっそりと覆いかぶさっていた。

『夏になったら、明るい時間も増えるよね』

｢...急にどうしたの？｣

テヒョンが振り返る。
そして、立ち止まっている私を怪訝そうに眉をひそめて見た。

｢早くそうなって欲しいんですか？｣

ジョングクも私を振り返った。
今度はちゃんと鮮明にみえる彼の顔。

『うん』

｢どうしてですか？｣

太陽みたいな笑顔を浮かべる君を少しでも長く見ていたいからだよ。