※ ページ39
「……、無理。帰る」
「え！ヌナだいじょーぶだって！」
まだ見慣れない
石造りの門を目の前にして
怯む私の足。
「…私だけ制服違うし、似てる制服ならまだしも、」
「あーもう！！入るよ！！！！」
私がイヤイヤと首を振る中、
ミンギュくんは
離れた手をもう一度握って
サル高の門をくぐる。
うちの高校とは違って
門をくぐるとすぐ校庭があるサル高
部活をしているらしく、賑わっている。
ミンギュくんはそんな校庭のベンチに私を座らせて
「ヌナ、ここで見てて、じゃ、おれ行ってくるから！」
とだけ言い残して、
休憩中なのか、輪になって休んでる集団の中に入っていった
「…、」
沢山の視線が
痛いぐらい私の制服に、私に突き刺さる
目を閉じて、帰りたい。そんなことを思ったとき
ベンチの隣からギシッと軋む音がして
誰かが座った気配がした。
「Aちゃん、ここで何してんの」
聞いたことのある声だった
でも私の好きな優しい声じゃなくて
ツンとよく通る高い声。
「…ジョンアちゃん」
「覚えててくれたんだー」
「うん」
「今、まだ部活中なんだよねー」
「らしいね、」
「で。何してるの？ここで」
すーっと整った彼女の笑顔に見つめられ、
逃げ出したくなる。
「…部活の見学に、」
スニョンくんを見に来たなんて言えない私。
言い淀んでいると、
ジョンアちゃんと私の間に
ふさふさ頭が入ってきた。
「おれが連れてきたんですよー、おれのこと見て欲しくて！」
ピョンっとおどけたポーズをとるミンギュくん。
「…ふーん。仲いいねーほんと」
彼女の視線が自然と私から遠のく。
「あはは、まあ、ヌナだからね」
「付き合っちゃえばいいのに」
「はいー？そういうんじゃないっすよー、ヌナなんで。」
いつものふざけた口調なのに
真面目な顔でジョンアちゃんから目を反らさずに
重みのある声で答えるミンギュくん
「まあ、見学していきなよ。でも選手が気になるとあれだから、あの木の下らへんで見たら？」
ジョンアちゃんはそう言って
居心地悪そうに席をたっていった
「…ミンギュくん、感謝」
「なんのなんの。寧ろごめん、一人にして」
「ううん、平気」
「あっち、移動する？」
「うん。」
軽く頷いて
私は目のつかない木の下のベンチに移動した
※
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ぴょん(プロフ) - 短編集からきました！まだ途中までしか読んでないですけど、良すぎて読み切ったら終わっちゃうのが悲しいです、私水名さんの作品めっちゃ好きです、素敵な作品を残してくださってありがとうございます！！作品の途中なのに伝えたくなるくらい気持ちが先走りました😭 (2022年11月17日 2時) (
レス) @page45 id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
水名(プロフ) - ピョナさん» ピョナさん 凄くコメントに助けられました。ありがとうございます。ようやく完結できました。 (2022年2月20日 3時) (レス) id: 539b1ce7fb (このIDを非表示/違反報告)
水名(プロフ) - caraさん» caraさん ありがとうござます。また見ていただくチャンスがあればと願っています。 (2022年2月20日 3時) (レス) id: 539b1ce7fb (このIDを非表示/違反報告)
水名(プロフ) - テイさん» テイさん 嬉しいコメントありがとうございます、すぐに完結させられずすみませんでした。また機会があったら見て欲しいです。 (2022年2月20日 3時) (レス) id: 539b1ce7fb (このIDを非表示/違反報告)
水名(プロフ) - キヌさん» キヌさん ありがとうございます。コメントを見てなんとか完結させる気を起こしました、笑 (2022年2月20日 3時) (レス) id: 539b1ce7fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミナ
| 作成日時：2016年2月22日 16時
