逢坂壮五の妹は。 (ページ5)

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4話，逢坂家ページ5

壮五side

皆には、今まで黙っていたんだけど…

僕には、妹がいたんだ。それが、志穂。

僕と志穂は、父さんが苦手だった。

そして、叔父さんの音楽が大好きだった。

逢坂の人たちは、口をそろえて言ったんだ。

『ほらやっぱり』『音楽なんてやってるから』

叔父さんの死をそう言った。僕と志穂は、大きな声で反論したかった。

だけど…できなかった。父さんが、怖かった…

僕も志穂も、父さんたちに意見することができなかった。

皆に言ったけど、僕はそれでも、どうしても諦めるなんてことできなくて、

この世界に…音楽の世界に飛び込んだんだ。

志穂を置いては行きたくはなかったけど…志穂は僕の夢を応援してくれた。

あの家の中で、志穂だけが僕のことを応援してくれていたんだ。

…僕が言えるのはここまで。次は志穂。

志穂、僕から質問。何で、家出をしたの…？それは、僕のせい…？

ーーー

志穂side

ええと…まず、私の行動のせいで、IDOLiSH7の皆さんに

ご迷惑をおかけして、申し訳ございません。

兄さまにご紹介いただきました通り、

私は、逢坂志穂といいます。逢坂壮五の妹です。

私がここに来た経緯は、七瀬さんがスリに遭っていたのを見かけたからです。

え、私が、刑法を知っていた訳、ですか？…教育の一環です。

助けたのは困っている人がいるなぁ、そう思ったからです。

お恥ずかしながら、七瀬さんだとわかったきっかけは和泉さんの電話です。

そして、よく見たらIDOLiSH7のセンターの七瀬さんでしたから…

驚いてしまい、気を失ってしまったんです。

ご迷惑をおかけして、本当に、すみませんでした。

次に、家出の理由ですよね…？はい。私は家出をしました。

食事などはコンビニで済ませましたし、寝る場所は、その…

確保できなかったので、公園などで身を潜めていました。

私…耐えられなかったのです。お父様のおっしゃることを

黙って聞いていることができなくなってしまった。

音楽の世界で生きている兄さまは、私にとって、

希望の光でした。私は兄さまのことを、尊敬しています。

大好きなんです。もちろん、音楽も。

大切なものを悪く言われて、叔父さんのことも悪く言われて。

それで、家出を少々…沢山の方々に迷惑をかけていること、重々承知です。

それでも…私は、あの家に戻りたくないんです。

これ以上、兄さま及び音楽を…お父様に悪く言われるなんて聞いていられませんから。