.8 ページ28
・
瞬間、都市だった景色が、無機質な空間へと戻る。
松本は、とてとてと歩いてくる二宮を見た。
「…んふふ、良好良好♪相葉さん以来ですよ、こんなの」
「…以来……？」
二宮は、先程のタブレット端末を松本へと見せる。
最終的なシンクロ率の数値は、”55，2%"
相葉の数値にはほど遠いと…松本は眉を潜めた。
「…まぁまぁ、そんなにイライラしないでくださいよ。
初めて武器を使った場合、ここまで数値が高い人は僕が知るなかで2人です。
相葉さん、そして………アナタだけ」
ニヤニヤと嬉しそうに笑いながら言う二宮。
続けて、櫻井が口を開く。
「……今まで、この武器達を握り実践した奴は、実は数え切れない程いる。
…そのなかでも、実際に武器が使えたのは相葉くんだけだった。
―――それは俺達が、武器を"選んでる”のではなく、武器に俺達が”選ばれてる”から。
松本くんは、その銃に”選ばれた”んだよ」
選ばれた……？
松本は手の中の銃を凝視した。
この銃が、俺を選んだのか―――
その時、だった。
「……もう決まったのー！？」
底抜けに明るい声が入り口から響く。
立っているのは案の定、相葉。
その相葉の後ろには、大野が居た。
かけ足で走ってくる二人に、二宮はにこにこしながら話す。
「…んふふ♪順調ですよ。それもあの武器を手に取るとはねぇ…」
二宮は顎に手を当て、笑いを堪えきれないようだ。
「……何がおかしいんだ、二宮」
松本が聞くが、二宮は何でもないです、と話をそらした。
「…うぉー！二丁銃！？かっこいー！！是非お手合わせ願いたいんだけど！？」
先程倒れたのが嘘のようにぴょんぴょんと飛び跳ねる相葉。
櫻井は困ったように笑う。
「…いやいや、相葉くんと手合わせしたら松本くん引いちゃうよ、絶対」
「えー、どうしてー！？」
ぶーと口を尖らせる相葉。
(……あ、…れ…)
瞬間、松本は、相葉が2つ重なって見えた。
ぐるぐると回る視界。目眩がする。
松本の変化に気付いたのは…、大野だった。
「……大丈夫？」
覗き込む大野。
『おい、潤。大丈夫かよ』
眉を下げてこちらを見る瞳は、いつしか"アイツ”と重なって。
「……っ、やめろッ！！」
「…っ！！」
気付けば松本は――――、大野を突き飛ばしていた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 302人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
智歌(プロフ) - りりさん» 初めまして、返信遅くなってしまい、申し訳ありません;; Ｓさん、私も大好きです^^ 山はなんというか、雰囲気が大好きですね//ようするに山大好きです← ファンだなんて……//嬉しすぎて倒れそうです← 更新頑張りますので、これからも是非よろしくお願いします！ (2013年3月23日 9時) (
レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - Ayaneさん» 初めまして、返信遅くなってしまい申し訳ありません;;コメントありがとうございます＾＾ 更新頻度は遅くなってはいますが、楽しみにしていただければ幸いです。ファンなんて…//私も大好きです！！← これからも頑張りますので、是非よろしくお願いします(●´▽｀)ﾉ (2013年3月19日 6時) (レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
Ayane(プロフ) - 初めまして、Ayaneと申します(^^)毎日更新を楽しみに読ませて頂いています。これから５人がどういう進展をみせるのか、とても楽しみです(о´∀`о)逢わせ屋も読ませて頂き、すっかり智歌さんのファンになりました!!大好きです♪ご無理なさらず更新頑張って下さい! (2013年3月15日 22時) (レス) id: 3a50da4d3a (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - 櫻ノ宮和翔さん» 初めまして、コメントありがとうございます＾＾ 逢わせ屋も読んで下さっているとは、感激です(ノ*゜▽゜*) 更新できていなくて申し訳ないです;; これからも皆さんに楽しく読んで頂けるように、拙い文章力で頑張りたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします (2013年3月15日 19時) (レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻ノ宮和翔(プロフ) - 智歌さん» 面白いです(^^♪逢わせ屋も読ませていだいていますこちらもとても面白く引き込まれますこれからもがんばってください(^^♪ (2013年3月13日 0時) (レス) id: ca8ec43a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：智歌 | 作成日時：2013年2月18日 6時
