ドラマの主演務めたら人生(？)とか何か色々と変わったんですけど2【鬼滅の刃】 (ページ12)

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彼女の気持ちページ12

雅side

いつの間にか、私は彼に好意を寄せていた

…だけど、彼と初めて言葉を交わした時、一言目から凄い憎まれ口叩かれてしまったんだ
正直、今までずっと心の中でもふざけてたけど…結構、キツかったんだよね

あんな真っ正面からお前嫌いオーラ出されたの、初めてだったから

でも私は負けず嫌いだったから、舐められたくなかったから、ムキになって反発してしまったんだ

「煽り合い合戦」とか言ってたけど、実際あのドラマの主演を務める前までは、本当にただの口喧嘩でしかなかった。皮肉ばかり言っていた

お互いずーっとそうやってたから、多分あっちは本当に私のこと嫌ってるんだなぁ、って
嫌われるって結構辛いなって…そう思った

…ううん、彼に嫌われるのが、辛かったんだ

だって、彼の近くに居ると何故だか安心するから
そんな人に嫌われてるんだって思うと、辛くなったんだ

でも、それでも近くに居たかった
嫌われてても良い。話しがしたい

一緒に居られなくても良い。だから…

そう思っていた

…私はいつから、彼を好きになっていたんだろう

最初は、ただただムカつく人だったのに
いつの間にか、好きになっていた

ううん。一緒に居て落ち着くって、好きだったって事だったのかな

よく分かんない

よく、分かんないけど…

一緒に居たり、一緒に出かけたり、触れられたりすると…凄く嬉しかったんだ
心臓がびっくりして、それで、少し胸が痛くなって…

だから告白された時、キスをされた時。私の心臓は凄く速く脈を打って、涙が出そうになって、嬉しくなって…不安が生まれた

「この人は、本当に私が好きなのかな」

って

疑ってしまったんだ

だって、彼が私を好いてくれている訳がない

彼はとても遠い人、手の届かない人だから

私より頭が良いし、優しいし、美形だし
そう、才色兼備で容姿端麗で…

ほんと、雲みたいに手の届かない人

だから、私になんて興味ないんだって思ってたんだ

好きだって言われた時、本当に胸が痛かった
嬉しい筈なのに、自分のネガティブな思考で、自分の首を絞めていた

それでも、彼を振るなんて出来なくて「付き合っても良い」なんて何様だお前って感じで頷いて…

……そんな言い方したのにさ、彼は私を抱きしめて「嬉しい」って言ったんだ

ううん、違うよ。嬉しいのは、私の方。私なんだよ