忘れられない少女の話【鬼滅の刃】

28.心配してくれる人 ページ29

「ジャアコレ」

「…え、何ですかこれ」


紙…いや、巻物？


先程から待っていた巻物を私に渡す銀子ちゃん

何か重要なことでも書かれているのだろうか


「御館様ガ纏メタアノ女ニ対スル警告ヨ」

「え」


すぐに巻物を開き中身を確認する

巻物にはこう記されていた



一つ、責任者である無一郎の指示に従うこと

一つ、何かを貰っても責任者である無一郎に必ず渡すこと

一つ、話しかけられても長話はしないこと

一つ、二人きりにはならないこと

一つ、自分の情報を話さないこと

一つ、この巻物は常時常備すること


無一郎が話したかどうかは分からないが、恐らくAは鬼に狙われている。

信頼できる者以外とはあまり関わらない方が良いと私は思う。

気をつけてね。


産屋敷耀哉



…私が、鬼に狙われてる？

そんなことはないと思うが…

いや、それより


「…時透さん、何の責任者になったんですか？」


時透さんが責任者って…私に関することだとは思うが、一体何の責任なんだ


「アンタノ安全ノ責任者ヨ」

「安全って…」


そんなに私が鬼に狙われているという確信があるのか

あのすあまの件から時透さんが可笑しくなったし…“あのすあま誰から貰ったの”と聞かれるぐらいだから、やっぱりあのすあまに何か入ってたんじゃ…？

でも何で鬼に狙われてるだなんて…


「御館様トアノ子ガコンナニ心配シテルンダカラ、アンタモ心配掛ケル様ナ行動ハ慎シムコトネ」


銀子ちゃんも心配してくれているのか、いつもより丸い

今の私の周りには、こんなに私を心配してくれる人がいる


「…分かりました。でも銀子ちゃんは戻って下さい、時透さんが療養の今しか休めないんですから」


ここまで私を心配してくれる人達に申し訳ないし、ちゃんと時透さんとこの巻物の指示に従おう

今度は仕方なくじゃなくて、心から


「ついでにさっきのは取り消しで、時透さんに“心配なら早く復活して下さい”って伝えて下さい」


そう言えば、銀子ちゃんはフンッとそっぽ向いて蝶屋敷方面へ飛び立っていった

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