忘れられない少女の話【鬼滅の刃】

26.疑心暗鬼？ ページ27

「A、思い出して」

「いやだから思い出すも何も知らないんですよ…！」



時透さんがさっきから何かおかしい

突然、“あのすあま誰から貰ったの”と質問を受けたのだ

昨日はあんなに興味なさげだったのに何事かと思ったが、まあ気になったのかなぁで片付け説明する、が…

私は彼女の名前を知らないから、時透さんに告白していた人としか説明できない

それで時透さんも“そう”と話を終わらせてくれると思ったが、そうはいかないらしい


“だから誰？”とか、“覚えてるわけないでしょ。君の仕事じゃんそれ”とか、“記憶力良いんでしょ？思い出して”


…と、無茶を言ってくる

だから知らないんですってば！！！



「何で知らないの？」

「何でと言われましても、聞く機会がなかったので…」



まずあんなに頻繁に会うとは思ってもいなかったのだ



「名前も知らないやつから貰った食べ物をのこのこ何の疑いもなく口に入れるなんて…あぁ、Aは馬鹿だったっけ」

「いや鬼殺隊という仲間ですからね？」



何なんだ、一体

質問攻めするわ仲間疑うわ…疑心暗鬼にでもなったのだろうか



「とりあえず…そいつに会ってもついて行かない、貰った物は僕に預ける。良いね？これ上司命令だから」

「え、何で…時透さん、さっきからおかしいですよ。どうしたんですか本当に」

「返事は？」

「は、はい…」



…さっきから何なんだこの人は

何でそんなに“彼女の事に気をつけろ”と遠回しに忠告してくるんだ。職権乱用までして



「…それと、次そいつに会ったら名前も聞いておいて。そしたらすぐ話切り上げて僕に報告」

「いやだから理由…」



何をそんなに色々警戒しているんだろう

彼女は同じ鬼殺隊の仲間、悪事を働いている様子もない穏やかな印象の人だった


…



「……今度教える。だから今は上司命令を素直に聞き入れて」

「…もう、分かりましたよ」



今は、従うしかない…か

27.見張り担当の鴉→←25.裏切り者 ー;無一郎sideー

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