忘れられない少女の話【鬼滅の刃】

22.すあま ページ23

蝶屋敷、療養をし始めてから２日目

もう既に私はどうすることも出来ない退屈に襲われ、暇を持て余していた


どうしようかな…時透さんまだ寝てるんだよね

辰刻なのにまだ寝てるなんて、よっぽど疲れが溜まっていたんだな


いつもの戦いぶりを思い出し、勝手に納得する


柱で非番もあんまり取れないから、疲れが蓄積されて寝る時間が増えているんだろう

こんな事になるんだったらいっその事、もう時透さんには戦いに出ないで普通の人として生きて欲しい

１４歳なんだから、無理は成長の妨げになる



「…あ、私が言える事じゃないな」



しのぶ様が怒っていた理由が何となく分かった気がする


そんな事を考えていると、後ろから足音がした

一人分、音が軽いから女性だろう


一人ならすみちゃん達じゃないし、子供の足音ではない

アオイさんは朝食を作っている筈

しのぶ様はカナヲさんに稽古をつけている筈だから…



「A様」



名前を呼ばれて振り返る

最近聞いたばかりの声に、何故ここに居るのか分からなくなって少し戸惑う



「良かった…療養されていたんですね」

「あ、いえ…アオイさんに肉離れの事がバレてしまって」



やっぱりか



「そうなんですか？良かったです、蟲柱様達に伝えておいて…」



いや貴女が私の肉離れをアオイさん達にバラしたのね

しのぶ様が悪化に気付いたのもそのせいか…



「そうだったんですね。……えっと、お怪我はないようですが何故蝶屋敷に？」



出来れば触れたくないことなので、わざと話題を逸らす



「お見舞いに来たんです」



…お見舞い？時透さんのかな



「時透さんなら、左奥から二部屋目で療養していますよ。今は眠っているようですが…」



ここまで言って口を噤む


……失言だ、なんて事を言ってしまったんだ

彼女は時透さんに振られて？いるのだ、まだ心の傷は癒えていない

それなのに…



「…ごめんなさい」

「いえ、謝らないで下さい。私がお見舞いに来たのはA様ですよ」



私…？



「お元気そうでよかったです。それと、お口に合うと良いのですが…」

「あ、ありがとうございます…？」



そういられて差し出されたのは、桃色の物体


これ、蜜璃様から頂いたことがある

確か、“すあま”だ…





＿＿＿

私、深夜にこのページ更新した気がするんですが…
何故か非公開、しかもお話が半分消し飛んでいたので書き直しました。

…いや、何でデータ消し飛んでるんだ？

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