忘れられない少女の話【鬼滅の刃】

2.無視 ページ3

「時透さん、時透さん。無視しないで下さいよ」



御館様の命により、昨日(さくじつ)から時透さんのそばにいる事になった私

今は任務、時透さんに話しかけるも永遠と無視されている

スタスタと歩く時透さんの背後を早歩きでついて行きながら話しかけるが、全く見向きもしてくれない


それでも負けじと話しかけ続けると、急に立ち止まって私の方を見てくれた時透さん



「煩いな、誰なの。少し黙っててくれる？」

「やっとこっち向いて下さいましたね」



もしかして居ない存在として扱われるているのかと思っていたから、少し安心する

だがそんな私を差し置き、ただでさえ深い眉間の皺を更に深めて歩きを再開した時透さん

走って後をついて行くが、鬱陶しいと時透さんの背中が言っている



「昨日御館様の屋敷でお会い致しましたAです、覚えていませんか？」

「御館様に会ったのは覚えてるけど、君のことは知らない。どっか行って」

「合同任務ですよ、私達。御館様のお心遣いにより、時透さんの任務は全て私も同行する事になって居ますから」



“ね？”と時透さんの鎹鴉さんに聞いてみる


あ、この子まつ毛長い。可愛い

うちの子頭の毛が少しぴょんって跳ねてるぐらいだからちょっと羨ましい

そうだ、後で跳ねてるところに最近流行ってるりぼん？でも付けてみようかな

この子みたいに見分け付きやすくなるかもしれない



「フンッ」

「あれ？」



そっぽ向かれた…

私何かしたっけ、初対面なんだけどな



「銀子、この煩いのが言ってる事って本当？」

「エェ、納得イカナイケドネ」

「貴女銀子っていうんですか？可愛いですね」


「…」



また無視された

鎹鴉と主人揃って、私の事を嫌ってるのだろうか


私達まだ会って日が浅いんだけど…



「言っとくけど、足手まといになるなら助けないよ」

「鬼ぐらい普通に倒せますよ、酷いですね。私階級乙ですからね」



上から２つ目、私は強い方なのですよ

柱の方達とも節点はあるし、一応認められてはいるし



「逆に時透さんが私に助けられるんじゃないですかね〜？」

「そんなわけないでしょ、煩いからあと十歩ぐらい後ろ歩いて」

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