もうひとつの事実3 ページ7
大貴side
こんなこと言ってて自分で悲しくなるんだけどさ、俺って意外と弱いんだなって思ったよ
毎日何か起こるんだ
歩いてたら急に目の前の一部だけが《違う世界》の映像になる
まるでその空間にだけぽっかり穴が空いたような感じ
時には戦争の映像が流れてて、弾が俺にあたる瞬間に元に戻った時もあったよ
あれにはちょっとびびった
そんなのが毎日起こるからちょっと参っちゃってさ、ある時知念に勘づかれたんだよ
「なにか隠してるって」
もう俺逃げられないなって思った
だから全部話しちゃったんだ
普通の人はこんな話1発では信じない
けど知念は信じてくれた
しかも...
自分も同じだと言うことも明かしてくれた
圭人も同じだよって
3人で悩もうって
そう言ってくれたんだ
もう俺2人の成長っぷりに感動して泣いちゃったよ
...ていう冗談はおいといて...
それから俺たちは《何か》が見えた時、それを必ず記録しようって約束をした
いつかきっと何かが見えるはずだって
そしたらある日、それはやってきたんだ
いつも通り帰って、眠ったら...
ほら、山田が言ってたあいつ、あいつが立ってたんだ
そいつなんて言ったと思う?
「俺は山田涼介と同一人物だ。」
って言うんだぜ?(笑)
思わず
「は?」
って言っちゃったよ
でもそいつは真剣な顔して今山田が言ってたことをもっと噛み砕いて説明してくれた
俺はその時に記憶が全部蘇ったんだ
山田同じように頭が痛かった
どの世界の俺を見ても、全部全部...最後に誰がが死んでた
それは俺でもあるし、山田でもある
それでそいつは最後にこういったんだ
「この世界はひとつの軌道に乗ってしまっている。この先にあるのは墜落だけだ。このままいけば全員死ぬ。それを救えるのはお前らしかいない。もうすぐで山田涼介は自分が何をしてきたか、自分がどういう《場所》にいるか気づくはずだ。お前は理解がある奴だろうからお前に頼む。もうこれがラストチャンスだと思ってくれ。これを逃したらもうあとはない。頼む...あいつを、彼女を助けてくれ...」
でもあいつはひとつ、彼女が誰なのかを言ってはくれなかった
知念と圭人もその日、同じ夢を見たらしく、2人とも全部思い出してた
その後、俺達にはなにも起こらず、そのまま時間は流れ...今年の春
俺たちはみんなに話した
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作者名:有谷 彩涼 | 作成日時:2019年12月4日 9時