1歩 ページ13
山田side
これが、今までのこと全て夢だと言うなら、どこから世界は動いているんだろう
夢自体が世界?
そんなこと有り得るのか?
涼介「っ...!!んだこれ...」
岩の突起で足に切り傷ができた
じんじんして、ちゃんと痛い
生暖かい自分の血が足を伝っていくのがわかる
涼介「なん、で...」
さっきは俺をすり抜けてったのに、何故今度はすり抜けなかった?
さっきと同じようにすり抜けたなら痛みはないはず
なのに痛いという感覚がある
そういえばさっきも鼓動が激しくなっていた
おかしい、何かがおかしい
ここは《夢》の世界なんかではない
もしこれが、本当に創られた《モノ》なら?
もしおれが、みんなが、《1人》づつしか居なかったら?
もし、もう世界が《崩壊》を始めているなら?
もし、あいつが俺に話してくれたことが、《遠回しに》言っていることだしたら?
それも誰かにバレないように
たくさんの候補が出たものの、どれが正しいのか、あるいは予想が当たっているのかを確かめるにはどれも足りなかった
そこでふと、ずっと前にみた、不思議な記憶を思い出した
ほんの少し残った記憶
唯一、未だに断片的にしか思いだせ無い記憶
いま考えてみれば明らかに不自然だ
不自然というのは、断片的にしか思い出せてないことなんかではない
もっと大事なこと
どうして、
どうしてその事に何も、誰も触れていない?
それがもし、俺自身が望んで、かろうじて残った《本当》の記憶だとしたら...
可能性はある
あの日、全ての記憶が流れ込んだ日
頭の中を高速で流れる映画のフィルムのようなものが、俺の頭を痛めつけた
全て、本当にあれで全部だった
何度思い出してみても、何度並べ替えて考えてみても、その数(世界)は1993個
俺が生まれた年になっていた
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作者名:有谷 彩涼 | 作成日時:2019年12月4日 9時