名取の隠し事《完結》 (ページ46)

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藍沢side

俺、不安なんです...どうしたらいいですか？

そう呟いた名取の背中は信じられないほど小さくて、普段の名取からは想像もできない

藍沢「...どうすればいいか。その質問にはっきりとした答えを出すことは、俺にはできない。」

名取「...ですよ、ね...迷惑ですよね...」

藍沢「あ、いやそうじゃなくて...その答えを出せるのは、お前しかいないって言いたいだけなんだ。」

...こんな言葉はただの綺麗事だ

でも、それでも...

藍沢「...どう言葉をかけるのが正解なのかは分からない。けど、間違いなくお前のわまりにいる人間はいい奴らだ。人の命がなくなった時、医者でありながら泣いて悲しんでるような奴らだからな。だから...もっと信じてもいいんじゃないか？あいつらだって今回のこと、もう分かってるはずだ。お前がじつは体調悪かったって。｣

名取「で、でも...」

藍沢「もし信じてても頭に嫌な思い出がよぎった時、何か嫌なことを思い出してしまった時...今回みたいなことが起きてしまった時は迷わず俺を呼べ。いつでも駆けつける。」

名取「いつでも...？」

藍沢「あぁ、いつでも、どこでもだ。俺がお前の電話に出なかったこと、1度でもあったか？」

名取は小さく首を振った

藍沢「周りが信じられないっていうんだったら俺を信じろ。」

そのあと、ポロポロと涙を流した名取は

「ありがとうございます。」

それだけ言って、パタリと眠りについた

慌てて近づくと、スースーと気持ちよさそうに眠っていて、ほっとしたのと同時に、深いため息をついた

その頭を撫でると

名取「...ふふっ...」

少しだけ笑った