名取の隠し事《完結》 (ページ40)

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＊ 8月28日追記しました。ページ40

藍沢side

ツー、ツー...

勝手に切れた電話の音が俺の鼓膜に鳴り響く

鳴き声が聞こえるし、鼻声だがら何言ってるかよく聞き取れなかった

けどわかったことはあいつが体調崩してて...

藍沢「...また、1人で溜め込んでるのか...」

患者「...あいざわせんせ？どうしたの？」

藍沢「あ、いやなんでもない。」

この患者は名取が担当している高校生

点滴のチェック中に名取から連絡が来たとき、焦って「早く電話に出て」と俺に言ってきた

...何か知っているのだろうか、いや、名取が患者に弱みなんて見せることないか...

患者「...なとりせんせい...の事？」

藍沢「え？」

患者「電話の相手はなとりせんせい。あいざわせんせいは私になとりせんせいのこと聞きたいんでしょ？」

...見透かされてるってことか...

子供だからって侮れないな

藍沢「...何か知ってるのか？」

患者「うんまぁ...知ってるっちゃ知ってるね。知らないって言ったら知らない事になるけど。」

この際高校生相手にプライドなんて言ってられない

...名取が危ないかもしれないのに

藍沢「なんでもいい。教えてくれないか。」

患者「...じゃあ、私のゆうこと聞いてくれるんだったら教えてあげる。」

そう言ってニヤリと笑った

患者「それはね...」

藍沢「...はぁ、全くずる賢いガキだ。」

患者「ふふっ、なとりせんせいのこのと心配なんでしよ？」

藍沢「わかった。上にお願いするだけしてやる。それで無理だとしても知らないぞ。」

患者「いーよ別に。私のために誰かがなにかしてくれることが嬉しいんだから。それでいったら今私はそれをされてるのかもしれないけど...うんまぁなんか違うんだよね。それとこれとは。」

藍沢「そんなものか？」

患者「そんなもんだよ、私にとっては...」

遠くの方を見つめたその目に何を写しているのか、俺には分からなかった