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ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
『配達に参りました、グッドチキンです〜』
ちょっと高級そうなマンションなのか
外にインターフォンがある所で
私は寒くて今にも凍え死にそうだった
『あ、はい、今外行くんで待っててください』
返答してくれた人は声がかなり低かった
なんか頭に残る声なのは気のせいかな...
ちょっと時間が経って降りてきた人は
帽子にマスクもしていた....
なんかとても違和感だ
「あ、チキン屋さんですか？」
『は、はい！これ商品です！現金はクレジットで頂いてるので
お支払いは結構です！領収書だけどうぞ」
チキンと領収書を渡そうとした時
間違ったのか
お客さんがそのまま私の手を握ってきた。
「えっ....」
「あ！すいませんっ....間違って、その...」
マスク越しにもわかる。
きっと彼は恥ずかしくなったんだなぁって...
手は一瞬にして離してくれた。
「ふふっ、大丈夫ですよ？たまにありますよね
領収書受け取る時人の手、握ってしまう時」
ひんやり冷たかった私の手は
もはや触られた感覚もほぼないくらい
「では、ありがとございました！」
「あ、ありがとう」
不器用そうに喋るお客さんだったな〜
でも、こんな家から少し出るくらいでマスクと帽子
高級マンション...
綺麗な目してたなぁ〜
なんか韓国の人って感じではなかった
モデルさんとか？
ま、2度と会うことはないか。
私は寒空の中バイクを走らせ悶々と考えていた。
____________
「ヨンボギ〜チキン届いた〜？」
「ちゃんと届きました〜」
「うお〜、こんな時間でも食べれるお店あって
ラッキーだなだ！ペゴッパペゴッパ！」
「ここのチキンの配達のお姉さんすんごいタイプで
思わず手を握ってしてまった..」
「は？手握るって？気をつけろよ〜？
ヨンボギは惚れやすいんだから」
「あ、領収書もらう時にね？
あまりにもガン見しちゃって...
なんていうか...オーラが素敵だった....」
「....パボっ、俺らは今波に乗ってるんだから
恋愛なんてしてる場合じゃないぞ」
「叶わないからさこそまた会いたいって思っちゃうよね」
「なに言ってんだよ」
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作者名：おつる | 作成日時：2023年11月25日 22時
