【wrwrd】軍人さんを拾いました 3【shp】

ｰ3 ページ10

『私、お人好しじゃないわ』


kn｢………嫌いやわ、お前｣



『じゃあ、なんで私のこと乗せてくれたの？』

と、反論を口にしようとしたその時、ちょうど馬が走り始めてしまって何も言うことが出来なかった。




前にトントンさん、オスマンさん、
後方に私とコネシマさん、というふうに森を進んでいく。



tn｢Aさん、家までどんくらいかかるん？｣
『あと30分もすれば着くと思うけど…』
kn｢もうちょい早く走れへんのかこれ…｣
os｢せやなぁ…ほっ！｣


小さい掛け声とともにオスマンさんが足で軽く馬を蹴った。
すると、彼の馬が速度を上げて走り始める。
それを見て、続くように速度をあげるトントンさん。

そうなれば、もちろんコネシマさんも速度をあげようとするわけで。


コネシマさんが軽く蹴ると同時に速度が上がって、揺れも激しくなる。
3人は平気そうだが、私はバランスを崩してしまい、焦ってコネシマさんにしがみついた。



kn｢ぉっ！？急になんやねん、離せや…｣
『無理よ、落ちちゃうわ！私こんな速さで乗ったことないの！』
kn｢こんなん、ちゃんと掴まっときゃ落ちひんわ！｣
『怖いの！ちょっと、助けてっコネシマさん…！』
kn｢ﾊｧ…呆れるわ…｣

そう言いつつも腕を回して、騒ぐ私をしっかりと固定してくれて安心する。



…意外と優しい。




『コネシマさんもお人好し？？』
kn｢なんや、落とすぞ｣

『わ、悪かったわ。
…支えてくれてありがとう』

kn｢最初から素直にそう言えばええねん。｣

フッと鼻で笑って得意気な表情を浮かべるコネシマさん。優しい…？のだろうか。




『…ショッピくんから聞いた"コネシマ先輩"と全然違うわね』

kn｢あ゛？｣

『ほら…すぐ怒るし、もっと陽気な感じかと…』

kn｢そら、お前俺の後輩やないし当たり前やろ。知らんやつと馴れあったりせんわ。｣

『さっきから思っていたのだけど、そのお前ってやめてくれる？Aよ、A。』

kn｢お前ほんとうっさいわぁ…｣
『…………。どの口が。』

kn｢は？お前…｣


そのまま口論が続きそうだったが、トントンさんとオスマンさんの馬がずっと遠くに行ってしまっているのを見て、2人とも口を噤んで、走ることに集中した。





…どうやら私とコネシマさんは合わないらしい。

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