【wrwrd】軍人さんを拾いました 2【shp】

-3 〔ある少女の話(2)〕 ページ9

ティナは全く歳を取らず自分よりも若くなってしまったジリアンを見てきて、森の加護を恐れてた。
ジリアンのことは好きだったが、娘である自分より若い母親に恐怖を覚えたのも事実。
だから、森から離れて暮らしていた。


それなのに、自分の娘が森の加護を受けてしまって…ショックだった。
歳を取らないAを見るのが辛かった。



それで、会いに行けなくなった。
Aのことを愛していたのに。

そして、会えないまま長い時が経ってティナもグレンも亡くなってしまった…。









Aはね、ずっと待ってたのよ
母が会いに来てくれるのを、1人で。



ティナが亡くなったことを伝えたら、A泣いてた。



その後私、しばらくAをここで暮らさせてたの。
A、可愛いから沢山友だちができたわ。
楽しそうにしてた…


けれど、そんな時間も長くは続かなかった。
時が経っても若いままのAを怖がった人は離れ、受け入れてくれた人も皆Aを残して老い、
死んでしまった。



Aはそれが悲しすぎて、誰かと関わるのが怖くなった。
自分は1人でいなきゃダメだとか、
自分は普通の人間じゃないって、感じたのね。

その時にAの口調が変わった。
自分の幼さと弱さを隠すみたいに。

まるでティナのような話し方だった。






あとは、ショッピさんに会うまで、Aはずっとあの家で一人ぼっち。

ほんとに…寂しかったと思うわ。


アンナ｢これでAの話はおしまい。……【アスクの森】はAのこと、手放すつもりはないみたい。
私が1000年以上見てきた中でAほど愛された人間はいなかったもの。｣


syp｢…1000年……？エルフの寿命じゃそんなに長くは生きられないはずですけど…まさか｣







アンナ｢えぇ、そのまさか。改めて自己紹介するわ。【アスクの森原初のエルフ】アンナ・ステュアートよ。よろしくねぇ。｣

｢さ、早く帰って。Aが待ってる｣









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【原初のエルフ】
その森で1番初めに生まれたエルフのこと。
エルフの中でも大変希少な存在で、
寿命はない。森に1番近い存在である。
人間には光の粒にしか見えない風の子を従えることが出来、他のエルフへの意思疎通や、情報を収集できる。

(大抵の人間は本でしか見たことがなく、伝説・空想の存在とされています。)

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