-2 〔ある少女の話(1)〕 ページ8
Aはこの街で生まれた。
母はティナ、父はアラン・オルブライト
2人とも街で有名な医者だった。
時が経ち。Aが3歳になる頃に弟が生まれた。
名前はグレン。両親はたいそう喜んだ。
4人で幸せに暮らすはずだった。
グレンが産まれて直ぐはティナの体調が優れなくて、アランは必死にティナの看病をした。
しばらくしてティナが治って、一安心。
そう思った矢先、Aの父アランが亡くなった。
病気だった。
グレンの出産やティナのことで頭がいっぱいで、医者なのに自分の体の異常に気づけなかったのだ。
アランの死後、Aとグレンを1人で育てることになったティナ。
でも、医者と言えど女1人の収入で2人を育て上げるのは困難だし、
ましてや、生まれたばかりのグレンとまだ幼いAの面倒を見ながらなんて到底不可能だった。
ティナは自分の母にAを預けることにした。
その人がAの祖母ジリアン・ウィグルスワース。Aより前に森の加護を受けていた人間。
ジリアンはAを養子に欲しいとティナに頼んだ。
Aのことは大切に育てるから。と。
ティナはAと離れて暮らすのを寂しがったけど、ジリアンの元にAを養子に出した。
Aが森で暮らすようになったのはその日から。
ティナはどんなに短い時間しかなくてもAに森まで会いに行ってた。
でも、グレンが学校に通わなきゃいけない年になって今まで以上に働かなくてはならなくなった後は次第に森へ行けなくなった。
時が経って、グレンが23歳で自立した時にティナはやっとAに会いに行けた。
迎えに行ったの。
しかし、
ティナが森に行くと、ジリアンの姿はなく、27歳にしては異常に幼いA だけがいた。
ジリアンはその時既に亡くなっていた。
加護を受けて死ぬはずのないジリアンが亡くなったこと。
27歳になっているはずのAの異常に幼いこと。
ティナは自分の娘が森の加護を受けてしまったことに気づいた。
そして、もうAと街で暮らすことが出来ないということにも。
ティナがAに会ったのはその時が最後だった。
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暁郗 - え?駄作とは??え??神作の間違いでは???? (2020年11月19日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とってもええお話やん(_><_) 続き楽しみしとこ♪ 応援してます!これからも頑張え!!!! (2020年10月1日 16時) (レス) id: 565863c7d8 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 椋。-ryou-さん» コメントありがとうございます!!泣いて欲しい話として書いたので、とても嬉しいです。これ以上の褒め言葉はありません…!!更新頑張ります! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
椋。-ryou-(プロフ) - ものすごく感動しています。特に「悲恋哀歌」は何度見ても涙が出ます。更新大変かもしれませんが、これからも応援しています。 (2020年9月12日 13時) (レス) id: 8b6ca01e67 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - ソノさん» 頑張ります〜!!コメントありがとうございます!!続編も誠心誠意執筆していきますのでぜひ...!! (2020年9月7日 21時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リズ | 作成日時:2020年8月9日 12時