男前女芸人_その2 (ページ10)

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俺の気持ちページ10

川西side

さっきの重い雰囲気から打って変わって、茶々を入れた洲崎を筆頭にエミをイジっていく。

山田に爆弾級の言葉を落とされて真っ赤になるエミ。水をちょっとずつ飲む時は決まって照れている時だと気付いたのはずっと前のこと。

『……いいのかな』

川「何が？」

コップから口を離したエミがポツリと呟いた一言は、隣の俺しか聞こえないくらいの声量だった。
独り言とは分かっていたが、あえて聞き返す。

俺の方を向いたエミの瞳は揺らいでいて、迷いが見えた。

『…俺みたいなのでも、資格あるのかな』

まだそんなことで悩んどったんかと、目の前の後輩に言ってやりたくなる気持ちを抑えつけて、できるだけ優しく、傷つけないように俺の気持ちを言った。

今厳しい口調で言ってしまったら、きっとすぐに壊れてしまう。

大体言いたいことはわかる。

…何年、お前の先輩やっとると思ってんの。舐めんなよ。

俺の気持ちを言ってもなお、もし本当に迷惑がかかったら、とか言うエミに向かって一言。

川「そん時は、絶対俺らが味方になってエミを全力で守ったるから」

今日ぐらいはカッコつけさせてくれ。