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初日の授業1回目は、担任との面談から始まった
どうやら入学早々どこの大学に入りたいか、という進路の調査をするらしい。
…大学なんて、お父さんが学費出してくれる訳ないし鬱さんにもこれ以上頼れないしなぁ…
多分、高卒で就職することになるのだろう。
致し方ない、大学でしたいことも特にないし。
そう自分の将来を脳内でシュミレーションしていると、担任から名前を呼ばれ別室に移動する
向かい合わせになった椅子に腰掛けると、早速お堅い顔をした担任が口を開いた
「そうですね…貴方の場合は今のところここら辺の大学の偏差値に合いますが、どこか気になるところはありますか?もちろんもっと上を目指すという手もありますが」
そう言って、次々と色々な大学のパンフレットを机上に出してくる担任
さらに棚から追加の分を出してこようとしたので、慌てて声を出して止めた
「すみません、私、大学に行くつもりは無いんです」
「……は?」
「家庭の経済的事情で、高校を出たら就職しようと思ってます」
私の言葉に、開いた口が止まらないといった様子の担任
数秒ほど固まったかと思うと、咳払いをして話し始めた
「この高校を出て高卒で就職した人は過去にいません。みんな有名私立や国公立大学に進学してます。…貴方が就職するとなると、この学校の伝統が崩れます…分かりますね?」
「それは理解してますが…。どうしても父が許してくれるなんて思えなくて」
「それならば1度親子で学校に来なさい。先生から直接親御さんにお話します」
私がその言葉に返事を返す前に、「ではそういうことで」と言ってさっさと部屋を出るよう促す担任
これ以上粘っても仕方なさそうなので、大人しく「失礼します」と言って部屋を出た
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天井(あまい)(プロフ) - これ2回以上見てるんですけどいつ見ても泣けます(号泣) (2021年2月20日 14時) (レス) id: 69217dc78e (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 途中から大号泣で読みました…!完結おめでとうございます!!涙が拭いても拭いても落ちてくるんです、もうヤバイです(語彙力皆無)一番のラストでストッパーぶちぎれました!お父さんと無性に喋りたくなってきた…!!ありがとうございました、お疲れ様でした (2020年8月3日 0時) (レス) id: 83f48e582b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 鼻水だらだらになりながらガチ泣きで読みました!(汚い) (2020年7月3日 5時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - 一気に読みました。涙止まりません、、こんなに切なく温かい小説初めてです。。素晴らしい作品をありがとうございます!! (2020年6月1日 18時) (レス) id: 5d0fa0d6a0 (このIDを非表示/違反報告)
鯨(プロフ) - やばい…涙が止まらん… (2020年5月29日 13時) (レス) id: 5c9d5c3971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音羽リンのサブ | 作成日時:2020年2月15日 22時