[d!]紫煙の感覚を知っている。 (ページ7)

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「よし。…あ、もうお昼ですね。どっか食べ行きますか？」
「う〜ん…そうだね…」

さっきのお礼をするチャンスなのだが…
外食…お金…まだ余裕がある訳じゃないから無駄遣いはできない。
…尚更申し訳なくなってきた。

「先輩って何が好きなんですか？」
「へっ！？あ、食べ物？
パスタとかピザとか…お肉より魚が好きだなぁ。ご飯もパンも麺も好きだよ」
「ふーん…じゃああそこのカフェ行きましょ」

そう言ってしょっぴくんが指さしたところは、行ったことも無いなんかお洒落なところだった。
高そう…なんかサンドイッチ一個頼んだだけですごい値段しそう…
渋っているのが顔に出ていたのだろうか。しょっぴくんは私の手を取り、引っ張っていく。

「えっ…」

ほんとに行くの？
その言葉を声に出すのは辞めておいた。だって、しょっぴくんが凄く楽しそうにしてくれるから。
ただお出かけしているだけだけど、しょっぴくんはわくわくしているように見えた。

店内はとても綺麗で、人も結構居た。
店員さんに「お好きな席へどうぞ」と言われ、取り敢えず座る。

「先輩、何食べたいですか」
「…あっ、パスタある…！」
「ここのカルボナーラ、美味しいんですよ」
「じゃあそれで…」
「飲み物どうしますか」
「飲み物…わぁ、すごい沢山あるねぇ。じゃあコーヒー…うーん、ホットで」
「分かりました。
あ、すみません」

通りがかった店員さんにしょっぴくんが声をかけた。
…カフェってこんな感じなのかなぁ。雰囲気がお洒落なファミレスみたい。
売ってるものがケーキだったりサンドイッチだったりパンケーキだったり、飲み物の種類凄く多かったりしたからカフェだと思うけど。
紅茶の種類いっぱいあってちょっと飲んでみたかったけど、唯一知ってるアールグレイはそんな美味しくないしなぁ。
そんな訳で普通に好きなコーヒーを頼んだ。パスタ…合うかなぁ。あ、一緒に飲まなければ良いんだ。

頼み終わったしょっぴくんは、また私を見た。

「…先輩って、甘いもの好きですか？」
「甘過ぎるのは苦手かな。あ、コーヒーあれば食べれる」

甘いものを食べているとお腹がすぐにいっぱいになる。油物も同じく。
…もう歳なのかなぁ。まだ20代だけどなぁ。

「へ〜、なんか意外です」
「そう？」
「先輩、雰囲気がふわふわしてるので」
「…そうかなぁ」

初めて言われたなぁ。怖いとか、正反対のことしか言われてこなかったけど。