2話 ページ3
-No side-
『つ、疲れた…』
到着してすぐ、この世界が何なのかわかってしまった治祈は、急いで相澤から渡された資料の中から自分の下宿先に関するものを探す。今、自分が彼の目に留まってしまったらまずいと思ったからだ
下宿先の資料を見つけると、そこに書いてある住所へ周りを警戒しながら向かった為、彼女が下宿先に着いた頃には疲れ果てていた
『平和な時は平和な世界だけどさ〜…危険な時は危険すぎるんだよ、この世界…』
この世界は、治祈が幼い頃から愛読している漫画の世界。よく知っているからこそ、なるべく事件に巻き込まれたくないのだ。ましてや、自分はこの世界にとって異世界から来た人間で、この世界の人間とは違う能力も持っている。万が一、この世界の未来を知っている事や個性のことを知られてしまったら、恐らくコナンは勿論、公安警察の彼やFBIの彼なんかもとことん追求してくるだろう
『もう〜、何でこの世界なんだよう〜』
そう言いつつも、気を取り直して封筒の中に入っている資料の中身を見て行く
先ほど見た下宿先の資料の他、米花町に関するもの、帝丹高校のパンフレットと書類控え、この世界の危険人物リストが入っていた
『あ〜、やっぱ学校は帝丹高校か…。危険人物リストって…ほとんど黒の組織の人らばっかじゃん』
危険人物リストの中身は、黒の組織のコードネームと写真が履歴書の様な形でまとめられていた。1人1人確認するのは気が遠くなりそうだが、これも自分の身を守るためだと頭に叩き込んでいく
『あ、降谷さんと赤井さん、水無さんも危険人物リストに載ってんじゃん』
この3人も黒の組織に所属している。または、していたからか、危険人物リストに載っていた。治祈は良い人達だという事はわかっていたが、念のため用心しておくことに
この時、治祈は考えもしていなかった。あの頭脳は大人な少年が、まさかあんなにしつこく迫ってくるなんて…
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作者名:上衣 | 作成日時:2018年11月21日 13時