夢見る少女じゃいられない【side you】 (ページ14)

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#14 ページ14

『はよ冷めへんうちに食べ』

「あっ、うん」

それからはたわいもない話をたくさんした

仕事の話から最近あった出来事、彼の周りの友達の面白い話などなど

純粋に楽しくて、今日を最後にはしたくないと思えた

「そういえば、原宿の方にすっごい美味しいケーキ屋さんができたんだって！ほらカラフルで見た目も可愛いから今度良かったら一緒に...」

だから必死に会話を繋ぎとめたくて次の予定を決めたくてと気が焦るあまり、気付けばベラベラと一方的に話していた

「あっ、ごめんね私ばっかり一方的に(笑)」

「ううん、やっぱり女の子はそういうとこが好きやねんな」

話を聞いてくれてはいるけれどなんだか彼は早く店を出たそうにしているように見えた、まだ21時だよ？そんなにつまんない？帰りたい？

『んじゃあそろそろ出るか』

「そ、そうだね、いくらだっけ？」

『えーよ、こういうのは払ってもらっとき』

「でも...」

『すいません、お会計で』

財布を出す隙を与えてはくれなかった

ちょっと女の子扱いしてもらったからって舞い上がってしまっている自分はつくづくちょろい女だ