七不思議4 廊下 ページ9
You side
はぁ疲れた
まさか深夜の学校で殺されかけるとは思わなかった。しかもトイレ
『もう無理。次はお前だからな』
「へーへーわぁってるよ」
なんだコイツは
お前のせいで死にかけたんだぞとはあえて言わないでおく
なんてったって今のこいつの顔色は今までで1番悪いから
まぁ妥当だろう
目の前で怪異に友人が殺されかけるなんて体験そうそうしないからな。
ぶっちゃけ怪異に殺されそうになる側もそうそうないけど
〈ぁー、なんでこんな所におるん?〉
『なんか言った?』
「は?なんも言ってないけど」
今確かに無駄にいい声が聞こえた気がしたんだけどな…気の所為?
〈ねぇ、なんで無視するんや?〉
〈なぁなぁ、うちの兄貴知らん?〉
〈ここに来るまでに合わんかった?〉
いやいるよ
絶対なんかいるよ
だって聞こえるもん。無駄にいい声。
めっちゃ質問攻めしてくるよ。
「ど、どどなたでしょうか?」
よく聞いたよあんた。
〈あっ、どうもロボロっていいますぅ。こんなナリでも鬼やらせてもらってます。〉
こんなフレンドリーな鬼がいてたまるかと思ったがどうやら本当のようで
いかにもって感じの刀持って追いかけてきてる。
刀に血が着いてるんですがそれは。
『うわっ?!』
まさか廊下の木が劣化して浮かんでるとは思わず引っかかり転んでしまった。
最悪
木の板も相当古びているのか破片が膝小僧に刺さる。
それ相応な痛みを感じながら起き上がると目の前には下駄。
ゆっくりと顔を上に向ければ目と鼻の先に刀が
あぁ、トイレの次は廊下が自分の死に場所かとついつい思ってしまう。
学校で死ぬのだけは避けたかったなとか
友人に死ぬとこ見られるのかぁとか阿呆みたいな考えしか出てこない。
ある種のアドレナリンでも出ているのだろう
潔く目を閉じて来るであろう痛みを待つ
一向に来ないその痛みを不思議に思いちらりと七不思議さんを見やる
するとそこには何故か顔を熟れた林檎のように真っ赤に染める七不思議さんが
なぜ?
流石に気になるので自分の行動を思い返す
うーん、と考え込んでいると
〈キス顔はあかんやろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!〉
と叫びながら走り去ってしまった。
キス顔??
そこでハッと思い出す。
自分、痛いの待ってる時目つぶってたわ
それがキス顔に見えたってこと?
もしかして、七不思議さんどーてー?
なんて要らぬことを考えながら更なる怪異へと足を進めるのであった。
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作者名:推し難民ふとん | 作成日時:2020年1月11日 14時