【BL】錆びた心【wrwrd】 (ページ11)

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七不思議5 秘密の部屋ページ11

You side

さて、さっきから色んなことがありすぎて時間とか一切気にしてなかったな。

チラリとスマホの画面を見やると2時という記号が目に飛び込んでくる。

『ねぇ、もう2時だよ』

「あぁ？ほんとだ」

ヤンキーのような返事をしてくる友人を横目にブルーライトで主張してくるそれに再度目を向ける

するとブルーライトなんかよりももっと綺麗で繊細な淡い空色が身を包み込む

いくら綺麗だと言っても所詮光。眩しいものに変わりはない

無意識のうちに閉じていた目をこじ開けるとそこは自分たちのいる世界には到底ないであろう場所

頭の中では(危ない逃げろ)とベルが鳴るが身体は動かない

いや、身体がここに居たいと感じているの方が正しいだろう

『ここ、どこ……』

ピチョンと美しい音と波紋が心を落ち着かせる

〈やぁ。眩しかったかい？ごめんね〉

柔らかい物腰、気を緩めそうになる声色

そこには自分たちの学び舎にいる養護教諭であるしんぺい神が。

『せ、先生…』

どうしてここに

の7文字が吐き出せない

その感覚にもやもやしていると後ろからゴボという音の後にドサッとドラマでしか聞いた事のないような音が響く

「うぅ……ここは？」

何か足りないとは思っていたがこいつだったか

〈あれれ？1人多いけどまぁいっか〉

『先生はどうしてここに？』

その問いかけは愚問だと言うようにしんぺい神は自分の全身を舐めるように見る

あぁ、その目。好機に満ち溢れた目。
大っ嫌いな目

どうせ上っ面しか見てないくせに。

〈ねぇ〉

『はい』

〈どうして足を怪我してるんだい？〉

そう言えばあの小柄な鬼さんとの追いかけっこの時に転んだっけ

『転びました。』

〈誰かに追いかけられたん？〉

『まぁはい、小柄な顔に雑面をつけてちらりと見える目は桃色に輝いてました。』

あぁ、と言うようにしんぺい神の顔は恍惚に染まり始める

たしか男色家だっけしんぺい神って

もしかしたら……なんて謎の可能性に身を震わせていると

〈まぁ怪我してることには変わりないね。ちょっと染みるよー〉

と言いながら今までに見た事のないような毒々しい液体を患部に塗りたくる

『い、痛いぃ！！！』

一抹の不安を感じながらもその長い長い治療を終える

するとしんぺい神は軽々しく言い放つ

〈あ、そうそう！君は我らが長に気に入られてるからこれからあってもらうだろうし。現世に帰れるかもあやしーね！！〉

収まっていま震えがさらに大きく震え出したのは当然の事だった