なな。 ページ7
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その後。
私とたんぽぽくんは教室に入った。私は入学式ぶり。学校が始まって2週間近くたっていたので、えっきたの・・・?という目で見られる。仕方ないけれどやはり苦しい。
みんなが皆、たんぽぽくんみたいに優しいわけじゃない。
不安から髪の色は緑色に戻ってしまった。
でも、フードを被るのは辞めたの。
被ろうとしたらたんぽぽくんに
「フード被ってると人殺しっぽくて怖い!」
って言われたから・・・。
入学式の時、髪色見られたくなかったからフード被ってたけど、殺人鬼にでも見られていたのだろうか・・・?
だいじょうぶ、たんぽぽくんがいる。このクラスには私を認めてくれてる人がいる。それだけでほんの少しだけ・・・心強かった。
ガラリ、とドアが開き、担任の富岡先生が入ってきた。
ふと思い出す母の言葉。怒られるだろうか。
富岡先生は私を一瞥すると、「きたのか。」とだけ言って視線を戻した。
安心していいのか、見放されてるのか・・・。
心が折れそうになるがなんとか踏ん張る。
がんばれ、がんばれ、がんばれ____
「体調は大丈夫なのか?」
隣から聞き覚えのない声が聞こえた。
『・・・!?』
隣の男の子はどうやら私に話しかけているようだ。話しかけられるという経験がないので動揺してしまう。
「入学式以来じゃないか?ずっと休んでいたから、体調が悪いんじゃないかと思って心配していたんだ。」
『えっと・・・』
体調は悪くない。上手く言葉にできず、困っている私に隣の席の男の子は優しく笑いかけてくれた。
「そうか。色々あったんだな。・・・改めて、俺は竈門炭治郎だ。隣の席だから仲良くして欲しい。」
『花山、A・・・。』
「Aか!入学式の時はあんまり話せなかったから名前を聞けて嬉しいぞ!宜しくな!」
たんぽぽくんとはまた違う優しさのある人だな、と頭の片隅で考える。
この人は、私の髪のことを知ったら変わってしまうのだろうか____?
そういえば。私は思い出した。
たんぽぽくんの名前____聞いてなかったな。
なんて言う名前なんだろう。
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作者名:おたくちゃん | 作成日時:2020年1月13日 19時