隣のチビが大食いだった件。【宮治】

めし29個。 ページ30

〔おわり。〕



・


部活が終わる頃には見学者も少なくなっており、暗くなったころにやっと部活は終わった。





挨拶も終わり私たちが帰ろうとすると宮侑君が



2人とも夜遅いし俺ら送ってったるから校門で待っといてぇや。



と言ってきたので真子と二人で校門前で待っていると



ほんの数分で宮ツインズがこちらに歩いてきた。





・・





『改めてお疲れ様』



横に歩く治に声をかけた




｢おう。どうやった？俺かっこよかったやろ？｣




と言ってくるので





『いつものボケっとしてる治よりかは何百倍もかっこよかったわ。』



｢褒めてんの貶してんの。｣






・・





途中、真子の帰り道が私達と別れるので宮侑君が


家まで送るわ


と、真子の家まで送りに行くらしい。



｢じゃあまた明日〜｣



と、挨拶をして真子と宮侑くんとは別れた。




・




こうやって改めて、治と二人っきりになると

緊張してしまって喋れなくなってしまった。




そうこうしてるうちに私の家の前についてしまった。




『じゃあ、ありがとう治。ほなまた明日。』




そう言って手を振って家に入ろうとしたところを治に止められた。




｢待って。｣


『どうしたん？忘れもん？』




そう問いかけるが治からは返事が帰ってこなかった。




その代わり治の口から出た言葉は




｢なあ。

俺、Aの事見てる時とかAと一緒にいる時とかAのこと考えてる時とか、


飯食ってる時よりも何百倍も好きやねん。｣




大きく目を見開いた。

急で何が何だか理解できていなかったのだ。







｢それに、Aのこと。
飯よりも、何よりもダントツで1番好きやわ。｣






きっと今の私の顔は物凄くマヌケ顔だろう。






『えっ……と…』




｢なにその顔。ばりおもろいわ。｣


『ちょｯ！！』





自分でわかっていながらもそんなことを治が言ってくるので

キッと睨むが、少し笑って私の頭に手を置いて宥めできた。




｢すまんて。…俺の気持ちは伝えたし。Aの気持ちも聞かせてや。｣




先程までふざけていたがスッと真剣な顔つきに戻った治に私も流されて




『…私、も……治のこと、飯の100億倍…好きやわ。』




下を向き、恥じらいながら言った。




すると直ぐに治に抱き寄せられて慌てていると



｢俺と一緒にいてくれ。｣

と小さく呟かれた。




『もちろん…。おにぎりの作り方また教えてーな。』

そう言って私も微笑み抱き返した。

めし30個。→←めし28個。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す