【28】これは公開できません ページ30
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Your side
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『…本当に、やるの?』
「やりますとも」
本日、決行予定のドッキリ。
前々からシルクくんが温めていたという、ドッキリ。
その内容は、「Aがモトキを振る」というもの。
『…すごい、罪悪感しかないんだけど』
「所詮はドッキリだって!大丈夫大丈夫!」
クックックッ、とまさに悪人のような笑い方をしながら部屋に隠しカメラを仕掛ける。
これからマサイくんの部屋にいるモトキくんを呼んで、そこからドッキリスタート。
こっそりLINE通話を繋いで、様子を見計らってネタばらし。
これがドッキリの流れ。
『…本当に、大丈夫かなぁ』
「何とかなるって!」
『…』
「よし、じゃあ呼んでくるからな!」
シルクくんがそう言って部屋を出て、私は待機。
嘘でも、モトキくんを振るだなんて罰が当たりそう。
しばらくして、「はいはーい」と玄関の方からモトキくんの声。
そして、出てきたケロッとした顔のモトキくん。
これから騙されるだなんて、知らないんだもんなぁ。
「シルクから聞いたけど、二人でしたい話って何?」
うわぁ、シルクくん中々リアルに伝言してるよ…!
キツイなぁ、もう。
『…あの、ね、…私、モトキくんのこと、…もう、無理かなって』
「え」
そういった瞬間、モトキくんの顔から笑顔が消えた。
そして、私に駆け寄り両肩に掴みかかる。
『ッ!』
「俺、何か悪いことした?Aのこと、考えてなかったかな?俺、…俺、Aと、」
『あ、あの、…』
「…離れたくない」
そう、絞り出すように声を出した。
その時、初めて見た。
目に涙を溜めている、モトキくんを。
『…っあの、あのね、』
────バタンッ
「うっっっっそでーーーーーす!!!www」
「!?」
『あの、…えっと、』
ニヤニヤと笑うシルクくん、その後ろでカメラを回すマサイくん。
それを見て、モトキくんは全てを察した様だった。
そして、同時にガバッと私に抱きついてきた。
『わわっ』
「…ッ、…良かった」
その時、初めてシルクくん達もモトキくんが泣いてるのに気づいたみたいで、
ばつが悪いみたいに呟いてた。
「…これは、公開出来ねぇな」
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成瀬(プロフ) - 海猫さん» コメントありがとうございます。「九分九厘」は9.9%では無く、どちらかと言うと99%の意味だと思われます…!九割、つまりほぼ完全な状態を指す言葉です。(間違っていたらお恥ずかしい限りですが)再度調べてみます、ありがとうございます… (2018年3月5日 23時) (レス) id: 12bce11f71 (このIDを非表示/違反報告)
海猫 - いつも読んでいます。雰囲気がとても素敵で大好きです。 前々から言おうと思っていて、9話の途中、「九分九厘」と出てますが、それだと9.9%で後の90.1%どこいったみたいな感じなので、多分「九割九分」で99%のことを言いたいのかなと…。 違ったらすみません…。 (2018年3月5日 17時) (レス) id: 9cd098678c (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - アクアさん» 有難うございます。丁寧なコメントで、読んでいる私も何だか満たされました。マイペース更新ですが見守っていただければ幸いです。 (2018年2月25日 19時) (レス) id: 12bce11f71 (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - 急にコメント失礼します。心がふわふわして、あったまるお話ですごく1つ1つ読み終わるたびに幸せな気分になれました。モトキくんらしいと言うと変ですが、すごく特徴を捉えた話し方だと思います。今日でファンになりました。また続編でも暖かい世界に浸りたいと思います (2018年2月25日 15時) (レス) id: 5012a3c832 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 桜もちさん» (続き)じる方は、正直閲覧してくださらなくて結構だと思っています。そんな事でと思われるかもしれませんが、私の書きたいように書いているので、それを読みたい方だけ読めばいいと思っています。長文失礼しました。よろしければ、これからもよろしくお願いします。 (2018年2月24日 15時) (レス) id: 12bce11f71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成瀬 | 作成日時:2017年1月28日 15時