６色で描いていく物語【WT】【短編集・中編集】 (ページ2)

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やっば。
教科書忘れたんだけど。
授業始まる前に確認しとけよ、自分。

よりによってなんで隣シャークんなんだろ。
なかむ君とかだったらまだお願いしやすいんだけどな。

さすがに教科書なしで授業受けるのはきついと思った私は、恐る恐る声をかけた。

『あのーシャークん。私今日数学の教科書忘れちゃって、良かったら見せてくれないかなーなんて。』

ダメって言われたらどうしよ。

「……ん」

その一言だけ呟いて机を寄せてくれた。

とりあえずは見せてもらえそうで安心した。
「あ？」とか言われたらどうしようかと思ってたもん。

『ありがとう……！』とだけ言って机をくっ付けると思ったより距離が近くてびっくりした。
内心はめっちゃ緊張してる。

チラッと横目で隣を見ると、もう黒板の方を向いていた。
私も集中しないとやばいし、真面目に授業を聞くことにした

待って、めっちゃ眠い。
やばい、せっかく教科書借りたはいいけど全然起きてられる気がしない。