“幼なじみ”に愛されてる件！！ 2

＊59 ページ11

雅斗side



「はぁ……」



地面に腰を下ろしながら大きく溜め息をつく。

やってしまった。告白をして無理矢理キスをして、最終的には嫌われた…
2学期から会わせる顔がない……



「雅斗」



上を見上げると、そこには少し目が赤くなっている智輝がいた。



「お前いつから……」



「僕見ちゃったよ、二人がキスしてるところ……」



「え……」



智輝は悲しげに笑っていた。
まさか、見ていたなんて……



「ねぇ、雅斗は知ってるでしょ。僕の好きな人」



「あぁ……」



智輝の好きな人ぐらい知っている。だって俺と同じ好きな人だからな。



「……く…さ……し…た……」



「は？」



「僕が先にAちゃんに告白したかった！！」



突然な大きな声に体がビクッとする。
俺でも聞いたこともない智輝の大きな声。



「僕の方が雅斗より……っ…Aちゃ…っ…のことが好きなのに……っ…」



幼稚のように大粒の涙を流しながら言う智輝。
俺もその気持ちは一緒。
俺だって智輝よりAのことが好き。
そう言いたいのに俺は口を開くことが出来なかった。


　

＊60→←＊58

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す