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ピンポーン……
毎朝聞き慣れたインターホンの音。
その音が鳴ると、すぐに玄関へ走っていく。
「行ってきまーす！」
リビングにいるお母さんにも聞こえるような声で言うとドアを開けた。
「うわっ、A速ぇな…」
「おはよう、Aちゃん」
そうだよね。
いつもの私なら、こんなに早くには出てこないし、寝坊してるときがあれば、この二人が入ってきて起こしてくるもんね。
「て言うかさ、智輝聞いてよ〜」
「どうしたの？また雅斗のこと？」
いつも崩さない可愛らしい笑顔にこくこくと頷く。
隣からは『はぁ！？』とキレる雅斗の声が聞こえる。
でも、私はその声をスルーする。
「あのね、昨日勉強してたら雅斗が邪魔してきたんだよ〜」
「はっ！？被害妄想やめろよ！」
「違いますぅ！ちゃんとした被害ですぅ！」
いつものように喧嘩をすると、私の隣からクスッと笑う声が聞こえた。
「いつも思うんだけど、Aちゃんと雅斗って仲が良いね」
そう言うと、すぐ正面を向く。
あれ……？一瞬、智輝の顔が少し悲しそうな顔をしていたのは気のせい……？
「ん、Aちゃんどうしたの？」
私がずっと智輝の顔を見ていたのを気づいたのか、見慣れた笑顔で私の方を向く。
「あ、ううん…なんでもないよ」
私は横に首を振る。
気のせい……なのかな…？
「…って言うか聞いてよ！昨日さ〜……」
急に空気が暗くなったため、私は空気を明るくしようと話題を変えながら登校した。
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作者名：咲乃ほしは | 作成日時：2020年3月25日 17時
