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あっという間に、長かったようで短かった勉強会が終わった。
「智輝、今日は本当にありがとう！」
「俺からもありがとな！」
智輝の家から出る前に、智輝にお礼を言う。
「ううん、僕こそお役に立てたなら良かったよ。あ、あと、クッキー忘れないでね」
「あ、わりぃ。さんきゅー！」
「ありがとね！」
すっかり忘れていた、智輝ママが作ってくれたクッキーを貰い、玄関から出た。
外はいつの間にか、空が赤く染まっていた。
「んじゃ、また明日〜！」
「うん、バイバイ」
それぞれ自分の家の前に立ち、挨拶をした後、家に入っていく。
「ただいま〜」
私はガチャッとドアを開けて家に入る。
後から、リビングからお母さんが『おかえり〜』と出迎えてくれた。
私はリビングには向かわず、そのまま自室へ向かった。
自室に着くと、教科書など勉強類が入っているバッグを机に置いて、体はベッドに倒れこむ。
「て言うか、雅斗なんだったんだろ……」
近くにあったクッションをいじりながら呟く。
“俺はお前のこと……”
雅斗が言いかけていたこの言葉。本当に謎だ。
思ったんだけど智輝、入った瞬間雅斗をずっと見つめていたのはなんでだろ……
「むあぁぁぁ！！！こんなことで頭使うとテストで大変なことになりそうだから考えるのはやーめたっ！！」
そう言って、クッションを抱いてベッドの上をゴロゴロし始める。
「A〜、ご飯だから下に来なさい」
「はーい！」
下からお母さんが呼ぶ声がして、クッションをベッドに投げて自室を後にした。
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作者名：咲乃ほしは | 作成日時：2020年3月25日 17時
