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「ごめんね〜、飲み物とか入れてたら遅くなっちゃった」
タイミング悪く、智輝が戻ってきたとき、雅斗は手を引っ込めた。
「わっ、ありがとう!」
私何事もなかったようにお礼を言う。
目の前に置かれたのは、花柄でお洒落なお皿にたくさんのってくるクッキーと、お皿と同じようなティーカップにはミルクティーが入っていた。
ミルクティーの甘い香りが鼻を擽る。
「おぉっ!旨い!これっておばさんが作ったクッキーか?」
いつの間にかクッキーを食べていた雅斗。そのクッキーを食べた瞬間、目を輝かせていた。
「うん、そうだよ。」
智輝のお母さんはパティシエールで、幼い頃から遊びに来るたびに色んなお菓子を作ってくれた。
私も早速、クッキーを口に運ぶ。
口の中でバニラの味がふんわりと広がる。
「ん〜!美味しい!ねぇ、これ持ち帰りたいんだけど!」
「俺も!」
私と雅斗が目を輝かせながら、クッキーに指を差して持ち帰りを要求する。
すると、智輝は分かりきっていたのかのようににっこりと笑う。
「実は、母さんがクッキー作りすぎちゃったから、Aちゃんと雅斗に渡してあげてって言われたから、大丈夫だよ」
すると、智輝が両手に持っていたのは、可愛らしいラッピングをされているクッキーがあった。まるで、お店に売られているようだった。
そのクッキーを見て、雅斗と私は声を合わせてこう言った。
「智輝ママ/おばさん、流石だー!!」
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2020年3月25日 17時