“幼なじみ”に愛されてる件！！ (ページ22)

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「……37ページの文を相川さん読みなさい」

「はい……」

沈黙が流れている中、先生から指名され教科書の文を読む。
読み終わると、先生が『はい、ありがとう』と言い、そのあとに解説を始める。

由羽と智輝からは慰めて貰ったけど、正直まだ今朝のことで凄く辛い。

＿＿＿“ﾀﾋねば良いのに”

この一言が私の嫌な過去と結び付く。
ずっと耐えられなくて辛かった過去。
あんな過去みたいになりたくなかった。

「Aちゃん」

隣からコソコソと智輝が私の名前を呼ぶ。
私は首をかしげる。

「ごめん、Aちゃんって0.5のシャー芯持ってるかな？」

「持ってるよ」

シャー芯のことを聞いてきたと言うことはシャー芯が無くなってしまったんだろう。
私はペンケースから残り数本のシャー芯が入っているケースを渡す。

「これ全部貰っちゃって良いよ。私もう一つあるし」

私は差し出しながら言うと、智輝は『ありがとう』と言い、それと引き換えに何故か一枚の紙切れを貰った。
4つ折りにされていてそれを開いた。

『今、無理してるでしょ？
Aちゃんは悪くないんだから、
気にしないでね。僕はいつでも
Aちゃんの味方だから！』

誰でも見やすいような整った字。この字は智輝だ。
男子の癖に凄く字が綺麗。約10年前からずっと一緒にいたから、誰の字かぐらいわかる。

智輝……私のこと気にしてくれたんだね……
この手紙をずっと見ていると、手紙に一粒の透明な液体が落ち、滲んでいく。

こんな内容を書かれて、今の私には泣くって言う選択しかないじゃん……っ…！

私は授業中にも関わらず、誰にも気づかれないように声を殺しながら涙を流した。

　