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「よーいドン!」
女子の時と同じように、タイマーの音で男子が走り出す。
雅斗は走り出した瞬間、一気にトップになっていた。
私と目が合えばウィンクをしてくる。
「きゃあぁぁぁ!!!」
その姿を見ていた雅斗ファンは悲鳴に近いような黄色い声を出していた。
雅斗ファンにとってはファンサみたいなものだろう。
「あ、智輝だっ!」
雅斗の後ろに智輝がいることがわかると、私はすぐに手を振る。
智輝はすぐ反応して恥ずかしそうに笑う。
もちろん、これも智輝ファンも黄色い声を出す。
「おぅおぅ、木村と横山のファン、大盛り上がりだねぇ」
隣から耳を塞ぎながら由羽がやってくる。
私は苦笑いをしながら『あの二人昔から人気だからね…』と言う。
「おいっ、大丈夫か!?」
由羽と話していると、先生の声によりざわつきが大きくなる。
先生が駆け寄った先には誰かが倒れていた。
「え、誰か倒れたの?」
「え〜誰々?」
正直、私も倒れた人が気になる。
先生が倒れた人を起こすと、その人の顔が明らかになった。
私はその顔を見たとき真っ青になった。
だってその人は………
智輝だったからだ……
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2020年3月25日 17時