＊11 ページ12
着替え終わると、すぐにグラウンドへ向かう。
今日は快晴で上を向けば、綺麗な青空が広がっていた。
「今日は持久走をするぞ〜」
周りからは『え〜』『最悪〜！』と聞こえてくる。
もちろん、私もその一人。
「マジで最悪……」
なんで持久走なんてあんの？
別に私バド部だから走る必要ないんだけど！？
ちなみに男子は1000m、女子は800mを走ることになっている。
先生は嫌そうに言う生徒の言葉はスルー。
「それじゃ、最初女子からな〜」
先生がそう言えば、女子は『はぁ！？』『男子からじゃないんですかぁ〜？』と嫌そうに言う。
まさかの女子が先行とか終わってる。
「良いから早く走る準備しろ〜」
またスルー。
先生、絶対スルーするの得意でしょ……
「それじゃあ行くぞ〜。よーいどん！」
先生の掛け声と一緒にタイマーの音が聞こえる。
それと共に女子が一斉に走り出した。
走り終えて、タイマーを見ると去年よりは何秒か縮んでいて安心していた。
「A〜、お前どうだった？」
汗を腕で拭っていると、後ろからタオルを持ってる雅斗の姿があった。
「去年……よりは…縮んだ……かな…」
さっき走り終えたから、呼吸がなかなか整っていなく、途切れ途切れに話す。
「お疲れ、とにかくお前これ使えよ」
そう言われて、私の手元にはタオルがあった。
「お前、どうせタオル忘れてきたんだろ？まったく世話が焼ける奴だ」
「ありがと。雅斗って頼りになるね」
私が雅斗に向かって笑顔で言うと、雅斗は顔を赤らめて『お、おぅ…』と言う。
きっと暑いから顔が赤いんだろう……
「次〜、男子準備しろ〜！」
先生の声に雅斗は反応する。
「A、俺の活躍見てろよ！」
「はいはい、頑張ってね〜」
私は彼に手を振って見送る。
雅斗は学年でもトップに入るほどの運動神経を持っている。
どうせ、私に自分の速さを自慢したいんだろ…
私はそう思いながらぼんやり見つめていた。
しかし、その後あんなことが起きるなんて……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲乃ほしは | 作成日時：2020年3月25日 17時
