仏様と宇宙人による人間の取り合い。【Bs#13、Bs#24】 (ページ5)

今日:13 hit、昨日:7 hit、合計:26,355 hit

ある日の登板ページ5

『横山投手、今日7つ目の三振！！6回を投げきりました！』

今日の内容はまずまず。1失点ではあるが、守備に助けられる面が多くいつもより三振が少ない。ベンチで汗を拭きながら、若月さんと自分の状態を分析する。

2｢今日はチェンジアップが少し高めに浮くな…それ以外は言うことないんだが、なんせ決め球をスライダーだけにすると読まれるかもしれない。｣

｢そうっすよね…なんとなくボールが手につかなくて。守備任せになりがちです。｣

24｢若月さん、次打席です。｣

2｢お、ありがとうくれ。よこ、あんま思い詰めんなよ、誰だってそういう時はあるんだから。｣

｢ありがとうございます、行ってらっしゃい。｣

若月さんのリードは完璧で、要求通りに投げられない自分の不甲斐なさにため息がでる。監督には7回まで踏ん張れと言われ期待されているんだなと思うと同時に、このままの調子では失点を重ねるだけじゃないかとの不安もある。

24｢A。｣

｢っ！びっくりした…。弘太郎、どうしたん？次打席ちゃう？｣

歓声が上がって2番がコールされる。3番の弘太郎は少しだけ、と言い隣に座って俺の右手を両手で包み込むように握った。

24｢手、震えてる。…Aの後ろには俺らがいる、絶対に1人にしない。それだけは覚えといて。あ、あとこの打席で俺がホームラン打ったら試合の後メシ行こ。｣

前半はかっこよかったのに、後半で台無しにして去っていく弘太郎。思ったことすぐ口に出すあいつらしくて思わず笑ってしまった。いつの間にか手の震えは止まっていた。

『2アウト2、3塁！一打逆転のチャンスで紅林弘太郎！！』

有言実行男め、俺も頑張らへんと。

『紅林弘太郎！！初球をライト上段へ叩き込んだー！！！逆転のスリーランホームラン！！！』