【イナズマイレブン】Charm and Abandon【オリオンの刻印】 (ページ34)

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Dream story.123 ページ34

「……鬼道さんのような司令塔がいるのと居ないので、チームのモチベーションが一気に変わりましたね」
「そういえば、Aさん。前半は……？」

黒いリムジンでの移動途中。
アレスシステムの本性を伝えられたその後に、野坂さんが取っておいた試合のビデオを見たのだ。

本人いわく、チームの特徴を捉えておきたいのだとか。

「移動中に全て目を通しておいたの。この大会で、敵が何を仕掛けてくるのかを把握しときたいって野坂さんが言ったから」
「……へぇー」

日本は後半開始5分後に、"王者のタクト"の終着点、灰崎君と吉良さんの"ペンギン・ザ・ゴッド&デビル"で一点を巻き返す。

向こうのキックオフ後で難なくドリブルをカットした一星からボールを受け取った野坂さんは、どこか生き生きとしたプレーで相手を翻弄していく。

そんな彼を潰そうとしているのか、一星はウズベキスタンの人とグルになって襲いかかろうとしていた。

向こうのチームの人は、3人がかりでスライディングを繰り出した。
しかし彼は、ボールを足で挟みながら背面跳びをかまして避けるのだった。

──彼の姿が舞い上がる空は、鬼道さんの時と重なり合って。終いには黒く染まっていく。

キツく何かを見つめるその目は、車の中で見たあの柔らかなひとみとは打って変わったものそのものだった。

「......凄い……。これが野坂さん……？」