【イナズマイレブン】Charm and Abandon【オリオンの刻印】 (ページ28)

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Dream story.117 ページ28

「さっきは強引に引っ張っちゃってごめんね。
今更だけど、名呼びをしてもいいかな？」

「は、はい。良いですよ！」

車に乗せる件と言い、名呼びする件と言い。
……この強引さは最近どこかで同じ感じを心に込めたような気がした。

──野坂悠馬さん。この人はきっと、あの人の……あの人？

まぁ詳しい話なんて今はどうでもいい。
取り敢えず嫌な予感がするのは確かである。

「ところでAちゃん、アレスシステムを聞いたことがあるかい？」
「──アレスシステム、ですか？唐突ですね……。
あ、天才児を育てる究極のプログラムを売りにしていたもの、ですよね」

中学生に入る前に、1度その件に関する封筒が届いていた気がする。
＿＿確か、東京にあるからって言う理由で断ったんだっけ。

「……実はね、この話を君の耳に入れておきたかったんだ。アレスシステムを受けるべき人間として抽出されてしまったからね」

アレスシステム──社会をより良い方向へと引っ張るべき新しい時代を導ける者として育てる代わりに、様々な薬などが投与される。

薬漬けとなった少年少女の中には、素晴らしい知能と引き換えに、精神崩壊や体の欠陥などの症状が現れるものだとか。

野坂さんもその一例で。
薬の副作用として脳腫瘍が膿まれてしまい、たった3ヶ月辺りで手術するために渡米し、リハビリをして帰ってきたのだという。

それを聞かされ、私は背筋を張り詰めた。