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Detour story.046 ページ50
私は青を嫌った。
大切なものをなくしたあの青を。
彼らの象徴であるあの青を。
ずっと、その奥で眠っているであろう空間を。
泡が絶えず揺蕩えるあの世界を。
私は青が嫌いだ。
夜空が嫌いだ。
星が嫌いだ。
……だから、アイツが嫌いだ。
あの日、久しぶりにあったあの日。
彼は“私を知っていたはず”なのに。
──アイツは確かに、『はじめまして』と示したのだ。
それなら、私はなにも思い出したくないの。
だけど、それは抗えない。
……私は一体、何をすればいい。
......いや、答えならもう見えているだろう。
否定をすればいい。
こんな自分を消していってしまえばいい。
壊せ。
いつか憧れた花に成り代わるように。
流せ。
自らの鮮血を、夢から引き剥がせ。
祈りだけじゃ物足りない、儚くて
奏でてしまえ。
何もかもを絶望に堕とす、果てしない悲鳴を。
──私は私であって、“私”でない。
──そして、あの彼は邪魔なのだ。
壊せ、壊せ。
私の中に、いつまでも輝かないで
そんな煌めきは、私に見せないで
だって、だって。
『もう、戻りたくなんてないのだから』
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作者名：ジューガ | 作成日時：2018年11月18日 13時
