【イナズマイレブン】Hide and Seek【オリオンの刻印】 (ページ33)

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Detour story.030 ??? side ページ33

「どうしたんだ、鬼道。
お前がそんな真剣にタブレット端末を睨みつけるなんて」
「......あの2人の情報が足りないんだ」

「……一星と(名字)か」
「そうだ」

同室の俺(風丸)にも目もくれず、鬼道はただタブレットと睨めっこを続ける。

彼がそんな状態になって約一時間が過ぎようとしているこの今でさえ、いつまでも眉間にシワを寄せているのだ。

今回の韓国戦でなにか変なことを感知したのか。
はたまたずっと知らぬふりをするかのように避けてきた“一星と朱月の欠けているデータの修復”をしようとしているのか。

天才の考えることは分からない、そう思いながらミネラルウォーターを2本手に取る。
余程タブレットから手を離したくなかったのか、1本を傍に置くとすぐさまその個体を置いてキャップをひねるのだった。

「それで、データの方はどうなんだ？」
「一星はなんとなく集まっているのだが、朱月の方は全くこれといったものが見つからない」

小さく生半可な返事を漏らしながら、自分自身も先程開けた水に再び口付ける。
案外俺自身も乾いていたのか、ペットボトルの中身は3/4まで減っていた。

「見つからない、だと？」
「あぁ。……どう足掻いても、“彼女の小3〜小5”の歴史がないんだ」

「……アイツはクラブチームに入っていたんじゃないのか？」
「朱月の話が正解なら、な。だが、小3でテニス界から突如姿を消して小5で神奈川のクラブチームにひょっこりと姿を現すまでの経緯が全くないんだ」

まるで苦虫を潰すかのように鬼道は口を歪ますも、この晩は消灯時間を理由にして彼を寝かせることにしたのだった。

…豪炎寺の件と言い、朱月のデータが見つからないといい。
この世界大会は、一体何が隠れているんだ。